■ 尽きない平成に関する視点/論点 これまで2度にわたって、平成の総括について書いて来たわけだが、続々と出て来る、平成に関する書籍や記事を拝読していると、まだ自分が気づいていない、あるいは気づいていても必ずしも十分にカバーしきれていない重要な…
■ 幻想としての東京オリンピック 2020年の東京オリンピックがもう目前に迫ってきているが、最近出てくるオリンピック関連の報道には目を疑うものが多い。私自身は、多少なりとも沈滞する日本のムードを変えるきっかけになるのなら、オリンピックというお祭り…
■ 失敗? 次の時代への準備? 前回、平成の総括ということで、3つの失敗(政治、経済、思想)について書いたたのだが*1、私が思った以上に反響があって、様々なご意見を頂戴した。中でも、失敗というより、次の新しいものが出てくる胎動の時代だったのでは、…
■ 大きな転換点としての平成 平成が終了する時期が近づていることもあり、昨今では、平成を総括する著作や記事が増えて来ている。昭和と比較すると、長さも半分以下で、300万人以上の戦死者を出して国が滅びてしまうほどの戦争のような大きな出来事があった…
■ 現在の生活に満足している若者が83.2%? 内閣府が行なった『国民生活に関する世論調査』で、現在の生活に満足していると答えた人は、74.7%で2年連続で過去最高を更新したという。これを18歳から29歳までに限定すると83.2%というから、どのような背景がある…
■ リニューアルした『水木しげるロード』 私の出身地は鳥取県の境港市なのだが、ここは、かつては、日本海側の有数な漁港という以外には、これといって特徴のない土地だった。ところが、昨今では、境港市出身である漫画家の故水木しげる氏の作品をテーマとし…
先日(8/6)、国際大学GLOCOMに於いて『平成30年版情報通信白書読書会』が開催されたので出席してきた。 イベントの概要 www.glocom.ac.jp 概観(感想) ◼︎ 明らかになってきた大変な現状 本年のこのイベントは、ここ数年と比較して異例といっていいタイミン…
■ 燎原の火の如く広がる批判 自民党の杉田水脈衆院議員による『新潮45』への寄稿文「『LGBT』支援の度が過ぎる」が多くの批判を集めている問題で、私も言いたいことは山ほどあるので、すぐに何か書いておこうと思ったのだが、少し自制して、どのような意見が…
■ 柿内芳文氏という傑物 先日(7/7)、アメリカ出版研究会の勉強会への参加を誘われて出席してきた。それまでの自分の経歴の中ではあまり縁のない世界でもあり、興味津々ではあったが、事前の予想を遥かに上回る、驚くほど素晴らしいお話を聞くことができた。…
◾️ 薄れゆくリアルタイムの感情 スマホのポップアップに突然、『オウム麻原処刑』のニュース記事が出て以来、久々にオウム真理教関連の情報がメディアに溢れて来て、かつて本件について考えていたことを次々に思い出すことになった。処刑については、一つの…
■ W杯で世界から賞賛された日本人のマナー サッカーのW杯はいよいよ佳境に入ろうとしている。日本は直前で監督が交代する等の混乱もあり、下馬評では一次リーグで全敗する可能性が高いと酷評されたものだが、それを見事に跳ね返して決勝トーナメントに進出し…
■ 遺伝子(ゲノム)編集の最前線の驚異 私が遺伝子(ゲノム)編集技術の最前線の驚異的な進歩、特に『クリスパーキャス9』という技術のことを知ったのは、KDDI総合研究所リサーチフェローの小林雅一氏の『ゲノム編集とは何か「DNAのメス」クリスパーの衝…
■ 知識社会で充実して生き、社会にも貢献するには ここしばらく、現代日本における教養の重要性について何度も書いてきたわけだが、『大学の深窓にいる人たちは教養ある人たちのはずだが、そこにも日大アメフト部のような権力構図があったり、新しいことを頑…
■ 大量の書評が書かれている新井紀子氏の新著 発売からだいぶん時間が経ってしまったが、数学者の新井紀子氏の新著『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』*1 は非常に評判が良く、この種の書籍としては異例の販売実績を誇り、版を重ねているという。私も発売…
■ 暴力志向は日本人の国民性? 前回、日大アメフト事件に言及するにあたり、これが主として今だに残存する『昭和的価値/意識』に起因する問題であることを指摘しておいた。ここでは、昭和といっても、戦後の高度成長期以降の後期~末期の昭和を想定していた…
■ 根深い構造問題から浮かび出た氷山の一角 今、メディア騒がす大問題となっている、日大アメフト部の反則タックルの問題は、次々と新しい展開が出てきて、どのように収束するのか、どこまで広がるのか現段階では予想がつかない事態となっている。おそらく何…
▪️ 不透明な時代の指針とは? 人工知能(AI)のような先端技術に関わる報道は、そのインパクトが強烈だったこともあり、『仕事がすべて機械に奪われてしまう』から始まって、『人間の知性を上回る存在になる』『人類は滅ぼされてしまう』というような極論ま…
■ 経済やビジネスの明るい話題が少ない日本 最近、巷では政治的な話題がものすごく賑やかだ。モリカケ問題のようなスキャンダルで騒がしいということもあるにせよ、長く蔑ろにされていた未解決の問題がこの時とばかりに次から次へと暗い穴の底から這い出して…
■ 創業時のソニーこそ今後の日本の道標? 書店でふと、元ソニー社員でGoogleの日本法人の社長も務めた、辻野晃一郎氏の名前を見つけたので、思わず手に取ってみた。なんと、評論家の佐高信氏との対談本である。*1 両者の個別の意見については、他所でもずい…
◾️情報が石油以上の資源となる時代 日本で「情報爆発」という用語が巷にあふれるようになったのは、いつのころからなのだろうか?Googleトレンドで遡れるのが2004年の1月からなので、それ以前の状況はわからないが、どうやら最も盛んにこの用語が使われたの…
◾️あらためてプラットフォーム戦略を問う 2000年代の終わり頃から、特にIT業界を中心として、市場の構造、およびそこでの勝利条件が急速に変化していることを実感するようになった。これは、遠からずIT業界の枠を超えて、広く市場全体に構造的変革を迫るほど…
◾️構造的な政治無知/音痴の大量生産 今の日本人の多くは(誰よりも私がそうなのだが)政治に関心が薄く、知識も乏しいから、国家運営や民主主義が健全に機能するために期待されるレベルに達しているとは到底思えない。もちろん日本にも政治に高い関心を持っ…
◾️YouTubeのコンテンツ 2月中旬に、突然腰のあたりが痛くなり、動けなくなった。それから約一週間、痛みもあって睡眠もままならず、特に最初の3日は24時間中半覚醒状態にあった。他に何もできないこともあり、手元にあったiPadでYouTubeを起動して夢遊病者の…
◾️激変する中国のイメージ 昨今では、経済であれ政治であれ、何がしかを議論する場では、中国の最新事情を勘案せずにはすまないことが多くなって来ている。私自身、何かを語ったり、こうしてブログを書くににあたっても(特に私の場合、経済やビジネスをトピ…
■ 2025年くらいまでをどう予測するのか 2018年が明けた。昨年後半は特に、ブログを描くペースを落としたこともあり、恒例にしていた年末のその年の総括も書かなかった。言い訳がましくなるが、この1〜2年というもの、変化のあまりの速さにショートレンジの予…
■ 今は必要ないのか、今だから必要なのか 敬愛する著述家で冒険家でもある田中真知氏がブログでとある本(「カイロ大学」*1 )を紹介しているのを見て、ハッとした。今、この切り口(エジプトのカイロにある有名大学に関する著作)が非常にタイムリーだと感じ…
■ 具体的な戦術に落とし込まれているか AI(人工知能)等の新技術は、昨今、経営者なら誰でも口にするような(というより一応口にしておかないと恥ずかしいとみなされるような)バズワードになってきた。この技術の本当の意味もわかりもせずに口にする人が大量…
◾️ 日本の異界 「日本の異界 名古屋」*1という本のタイトルの奇抜さに思わず目をとめてしまった。私も、昔、仕事の関係で7年くらい愛知県に住んでいて、その文化の特殊性に、辟易し、反発しながら、時に包摂され、それまで真面目に振り返ることのなかった「…
◾️優良企業の品質偽装事件 神戸製鋼所の品質データ改ざん事件は内外に非常に深刻な影響を与えている。偽装は非鉄金属のみならず、主力事業の鉄鋼にも及んでいることが判明しており、さらに別会社である建設機械の「コベルコ」等にも飛び火しているというから…
▪️ 世界の中心に踊り出るインド 昨今の世界のビジネスシーンにおけるインドの勢いはものすごい。少し前までは、いくらそのように説いても皆半信半疑だったものだが、今ではそのパワーを疑うものは逆に少数派になった。21世紀は「アジアの世紀」とは、ずっと…