情報通信白書読書会/日本の問題はもっと深刻では?

先日(9/8)に国際大学GLOCOMに於いて「『平成29年版情報通信白書』読書会」が開催されたので出席してきた。少々遅くなったがレポートしておこうと思う。 概要は、以下の通り。 日時 2017年9月8日(金)14:30~16:30 講師 高田義久(総務省情報通信国際戦略…

「常識」や「信念」と距離を置く重要性について

■ 気になった臨死体験の本 この夏の異常な暑さの影響もあって、しばらく持病の片頭痛に悩まされ、ブログ更新のペースも落とさざるを得ないでいるが、加えて、帰省でお休みしていると突然叔母の死去の知らせが入り、急遽、通夜や葬儀に参加することになり、通…

市場のトレンドは『真・善・美』へシフトすると確信している

◾️ あらためて取り上げたい『真・善・美』 前回のブログ記事で、扱った著書、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』*1は、企業のコンプライアンス活動という比較的特殊な領域に関するイベントに絡めて引用させてもらい、関係者からは予想以上に…

サイエンスから美意識へーコンプライアンス活動の未来

◾️ セミナー概要 7月19日に、レクシスネクシス・ジャパン社主催で、『競争戦略としてのコンプライアンス~攻めのコンプラはオモシロい~』というタイトルのセミナーが行われたので、出席してきた。 ※満席のため受付終了【Executive Seminar】 競争戦略とし…

GEのジェフ・イメルトCEOから学ぶべきもの

◾️ 退任劇では見えないイメルトの凄さ 先日(6月12日)、自分にとっては少々驚きのニュースがあった。多国籍コングロマリット企業のGEのCEOであるジェフ・イメルトが退任するという。イメルトと言えば、『20世紀最大の経営者』とまで尊称されたカリスマ経営…

都議選の結果を健全な二大政党制まで持っていくためには?

◾️ 都議選で惨敗した自民党 一昨日(7月2日)行われた東京都議会議員選挙(都議選)では、当初の予想以上に都民ファーストの会が躍進し、自民党が惨敗した。 ここしばらく、安倍政権の周辺は、森友学園を皮切りに、加計学園関連での疑惑、そして、その問題に…

時代がジオメディアによる改革を必要としている

◾️ 交通ジオメディアサミット 先日行われたイベント、『第二回交通ジオメディアサミット』は是非参加したかったのだが、スケジュールが合わずに見送った。やむなく、終了後のレポート等を読ませていただいた。 「交通ジオメディアサミット 〜 IT×公共交通 20…

Googleがアパレル企業の競合者となる日

◾️ アパレル業界は殺されつつある? 業績が急速に悪化しているアパレル業界(百貨店等の小売も含む)の現状、および勃興しつつある新しい取り組みについて、丹念な取材の結果を通じて日経ビジネスの記事としてまとめ、それをベースにして加筆修正した著書、…

『勉強』により『同調圧力』から抜け出ないと大変なことになる?

◾️ 千葉雅也氏の『勉強の哲学』 買ったまましばらく放置していたのだが、ふと読んでみると非常に面白くて、また自分自身を振り返るきっかけとなった本がある。哲学者の千葉雅也氏の『勉強の哲学 来たるべきバカのために』*1である。勉強といっても、受験勉強…

電機メーカーが消えても日本人の創造のスピリットは死なない

■ 日本の電機産業の終焉? 東芝がいよいよ本当に倒産(法的整理)するかもしれない。2~3年前にこのように書いたら、釣り記事(釣りタイトル)と揶揄されて炎上したかもしれないが、もはやさほど違和感はないのではないか。実際、特に今年に入ってから、『東…

『自動機械化する人間とその上位に立つ人工知能』という可能性

◾️ 人工知能は人類を滅ぼすか 人工知能(AI)関連の最近の話題の中で、皆が最も関心を持っているのは、一つには、人の仕事が人工知能に奪われてなくなってしまうのではないかという議論だと思われるが、一方、特に欧米を中心に、遠からず人工知能が人間を上…

葬儀やお墓が消失してもなくならないもの

■「死」に対する意識 私たちの年代になると、友人の両親がちょうど亡くなるタイミングに当たっていることもあり、年末になると年賀状の代わりに喪中ハガキが沢山届くことになる。年途中の今頃でもそのような連絡をしょっちゅう貰っている印象がある。それを…

東浩紀氏の新著『ゲンロン0』の私なりの読み方

◾️ 経済人の立場 思想家/ 批評家の東浩紀氏の新刊、『ゲンロン0』*1については、発売からおよそ一ヶ月が経過していくつか書評も出てきているが、予想通り総じて評価が高い。私も遅れじと書評を書こうと思っていたのだが、自分の書こうとしている文章に自分で…

注目すべきフランス大統領選挙/テクノロジーが導く民主主義の崩壊?

◾️ 米国大統領選に似るフランス大統領選 決選投票が気になるフランス大統領選挙だが、何といっても焦点は、極右政党である国民戦線の党首、マリーヌ・ル・ペン氏の動向だろう。今のところ世論調査では、独立候補のエマニュエル・マクロン氏が優位でありその…

格差問題に見る日本人の意識の危うさと今後向かうべき方向について

◾️ 進む格差社会化 貧困と不正を根絶するための持続的な支援/活動を100カ国以上で展開している、オックスファム・インターナショナルは『99%のための経済(An Economy for the 99%)』という最新の報告書で、富める者と貧しい者の間の格差は、これまで考え…

ネット広告の現状と今後について

◾️ 首位をうかがうネット広告 4月7日付の日経新聞が報じているが、世界の広告費は、2017年にはとうとう首位のテレビを抑えて、ネット広告が首位になる見込みのようだ。きっとそういう時代が来ることには確信があったものの、それはいつのことになるのか、ほ…

人間と機械の共生・合体について考える/人間理解が粗雑すぎる

◾️ 進化する義足 最新の技術の成果として、素直に喜び、また今後の明るい展望を信じることができる(と思える)案件に、義手や義足の進化がある。中でも思考制御型という、人間の思考で動く義足の話が最初に出て来たときには、正直そんなものが本当にできる…

素行の悪い企業トップにあまり寛容になれない理由

◾️ 評判の悪いUber タクシー配車のUberと言えば、操業開始わずか4年で世界200カ国に進出し、企業価値も180億ドルを上回る、世界を驚かせたベンチャー企業であり、昨今その非現実的とも思える成功ぶりで『ユニコーン企業』(企業としての評価額が10億ドル以…

日本のマーケティングはもっと進化すべきだと思う

◾️ AMNの提唱するアンバサダー・マーケティング 先日、日本におけるブログ・マーケティングあるいはカンバセーション・マーケッティングを早くから手がけ、最近ではその延長で、『アンバサダー・マーケティング』を推進する、アジャイルメディア・ネットワー…

人工知能と人間の決定的な違いは何か?

◾️ 人工知能は人間を超えるとの信念 脳の解明が進み、人工知能の能力が拡大していけば、人間を超える存在となる、というシナリオがある(かなり広範に流布している)。日本ではそのまま賛同する人は少数派だと思うが(そう私が思っているだけなのかもしれな…

パーソナルデータ活用で米国に敗北が決定的! 起死回生の妙案はあるか?

先日( 2/9)、国際大学GLOCOM主催で行われた『パーソナルデータの自己活用と法的課題』というセミナーに出席した。これは、『マイデータ活用に関する連続セミナーシリーズ』の第2回目で、今回はマイデータ活用に関わる法的課題について講演およびパネルディ…

AIのような先端技術は『倫理』で抑制できるのか?

◾️ 皆が口にする『倫理』 昨今の科学技術の進歩は人間の想像をはるかに超えたペースで進行しており、突然、技術の成果が、人間の健康や生命、さらには人類の生存すら脅かすような存在として、立ち現れるようなことが現実の問題になってきている。その危機感…

日本企業は迷わず『経験価値の徹底追求』に取り組んだほうがいい

◾️ トランプ政権誕生でも変わらないトレンド 2017年はトランプ政権誕生という大波乱のおかげで、政治も経済も今後を見通すことが以前にもまして難しくなっている。経済問題に限って見ても、選挙の公約について本当のところ何をどこまでやるのか。それによっ…

『ゲンロン4』を読み、2017年年頭の決意を新たにした

◾️ 予想以上に面白かった『ゲンロン4』 年末年初の休日を利用して、思想家の東浩紀氏が主宰するゲンロン社が出版する『ゲンロン4』*1を読んだ。一連の『現代日本の批評』の連載の最終回としても、2001年以降の平成の批評史としても大変読み応えがあり面白か…

2017年をどう生きればいいのか/次の10年期を見据えて

2017年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。 ■『反(アンチ)』の2016年 この年末は例年書いてきた10大ニュースに関わる記事が間に合わなかったのだが、2017年の豊富を語るためにこそ、2016年を改めて振り返り、評価/分析…

一人負け日本で企業はどう生き残ればいいのか?

◾️ 漠然とした不安感 この数年、アベノミクスの効果は多少ともあって、景気は一息ついたとの印象がある。だが、度重なる金融緩和策もそろそろ効果が切れてきていて、不透明感が強くなってきていると言わざるをえない。しかも、次世代の日本を背負っていける…

今は予測や情勢分析のスキルを徹底して見直してみるべき時

◼️ 軒並み予測が外れた米国大統領選挙 先の米国大統領選挙が残した印象的なエピソードの一つに、世論調査や専門家の予想が軒並み外れたことがある。マスメディアの予測については、CNNやワシントンポスト紙など、あらかじめヒラリー・クリントン氏支持の旗色…

指数関数的に変化する未来をどう予測すればいいのか

◾️ 未来予測が非常に難しい時代 ここしばらく、人工知能のような先端技術と社会の今後というテーマを、これまでにまとめてきたことを棚卸しする意味で整理している。昨今世間を賑わす先端技術の多くは『デジタル化』がその背景にあり、デジタル化することに…

トランプ大統領登場以降に何が変わるのか・変えるべきなのか

◾️ 分水嶺 先日、ブログの原稿を準備して投稿しようとしていて、絶句してしまった。ちょうど米国の大統領選の経過を見ていたら、見る見るトランプ候補の得票が増えて、次期大統領に確定してしまったではないか! 自分自身、いわゆる『トランプ現象』は決して…

技術が示す未来だけでは生の欠落を埋めることはできない

先日(10/19)、WIRED JAPANが企画したコンファランス『FUTURE DAYS』に参加した。 10/19(水)開催! WIRED CONFERENCE 2016「FUTURE DAYS:未来は『オルタナティヴ』でなければならない」|WIRED.jp このコンファランスは、『テクノロジーの進化によって近…

あらためて痛感する日本企業の重い課題

◾ CEATEC JAPAN 2016 先日、アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展 とされる『CEATEC JAPAN 2016』*1に出かけた。この10年くらい毎年欠かさずこのイベントには参加してきたが、この間、日本のIT・エレクトロニクス業界は戦後最大級の激動期にあり…

破壊願望しか見えてこない米国を憂う

◾ ヒラリーの勝利? 米国の大統領選挙がいよいよ佳境に入ってきた。9月27日(日本時間)には民主党候補のヒラリー・クリントンと共和党の候補に上り詰めたトランプの第一回目の公開テレビ討論会が行われた。当初から泡沫候補と叩かれ続け、同じ共和党の長老…

人工知能に絶対に任せてはいけないこと

◾ 自動運転に関する公開セミナー 先日( 9月20日 )、弁護士会主催の自動運転に関する公開セミナーが行われたため出席した。内容そのものは、ほぼ旧知と言ってよく、自分にとってそれほど目新しい発見があったわけではないのだが、Q&Aセッションで少々気にな…

ブロックチェーンに漂う暗雲?/革新的技術の社会での受容の難しさ

◾ ブロックチェーンのイベント 先日(9月8日)に開催されたブロックチェーン・イノベーション2016(GLOCOM View of The World シンポジウム)*1に参加してきた。このイベントは昨今非常に話題になってきているフィンテック関連の中でもとりわけ注目度が高…

『遺伝子工学』に革命が起きてる!/『ゲノム編集』が凄過ぎる

■ 最も差し迫った分野は? 昨今の先進テクノロジーの進化とその影響が破壊的であることはこのブログでも繰り返し述べてきたし、最近では同種の情報が急増して、私が多少の発信をしたところですっかり埋もれてしまうようになった。しかも、どの分野のテクノロ…

情報通信白書を読んで考えてみたこと

◾ 情報通信白書 読書会 先日、国際大学GLOCOMで行われた、『平成28年版情報通信白書』読書会に参加してきたので、それをきっかけして考えたことをここにまとめておこうと思う。 イベントの概要は下記の通り。 <日時> 2016年8月10日(水)15:00〜17:00<講…

日本発のネット関連サービスを再び世界へ

◾ 日本発のネット関連サービスの勝ち組 『日本の発のインターネット関連サービスの海外進出による成功はどうすれば可能なのか。そもそも可能性があるのか。』 これは本来とても重要な問いだと思うのだが、さびしいことに昨今ではそのような問い自体が少なく…

『日本の課題を読み解く わたしの構想1(NIRA編)』を使い倒してみよう

◾ NIRAの研究活動が一覧できる 先日、NIRA(総合研究開発機構)から発刊されている『日本の課題を読み解く わたしの構想1』*1という冊子をいただいた。私自身、ここの研究活動の一端に参加させていただいているので、本書について記事を書くことは、一種の「…

東京への人口一極集中の必然とメリットを理解すべき時が来ている

◾ 進む東京への人口の一極集中 総務省発表による今年1月1日時点の人口動態調査によると日本の人口は7年続けて減少し、特に今年は、前年から27万1834人減り、調査を始めた1968年以降で最大の減少数だった。 一方で、東京を中心とする首都圏の人口は前年比11…

イチローのような『天才』から何を学ぶべきなのか

◾ 日本人皆にとって誇らしい年 本年は驚くような、そして、どちらかというと陰鬱な事件が相次ぐ一年だが、日本人にとって誇らしく喜ばしい出来事もある。メジャーリーグで活躍するイチロー選手の安打数世界一更新(日米合計)とメジャーリーグ史上30人目の3,…

英国のEU離脱問題から学ぶべき真の教訓とは

◾ 大抵の日本人には理解しがたい問題 2016年はまだやっと半分が終わったところだが、何だか世界中から次から次へと驚くべきようなニュースが飛び込んでくる。いつの間にか、それに慣れっこになって、これ以上何が起きても、ちょっとやそっとでは驚かないだろ…

これからの市場で勝つためのフォーミュラとは

◾ アベノミクスの評価 参院選を目前に控え、アベノミクスの成果についての議論が騒がしくなってきた。有効求人倍率の向上を成果が上がった印として強調する自民党に対して、格差の拡大等をあげて失敗との評価を下す野党の舌戦が始まっている。 私自身は今ひ…

シンクロすべき技術の進化と社会の進化

■ フェーズは変わってきている? 昨今、人工知能等のハイテク技術に関わる議論は実に賑やかで、相変わらずメディアには多数の記事が飛び交っている。ところが、一方で妙に心騒がない自分がいる。情報は従来以上に大量に押し寄せてくるが、目新しい視点や本質…

プラットフォーム化が全領域におよぶ近未来とその問題点について

◾ ブロックチェーン 先日(5月18日)、国際大学GLOCOM主催で、ブロックチェーンについてのイベントがあったので、日中の忙しい時期ではあったが出席してお話しを聞いてきた。 GLOCOMブロックチェーン経済研究ラボ 第3回セミナー「通貨としてのビットコインを…

ソーシャルメディアの闇が世界を滅ぼす?

◾ 蔓延する不寛容と過剰反応 ジャーナリストの神保哲生氏と社会学者の宮台真司氏による有料放送、『ビデオニュース・ドットコム』の4月30日に配信された番組は『誰が何に対してそんなに怒っているのだろう』*1というタイトルで、昭和大学医学部教授で精神科…

『慰霊』がわかると日本の真の問題が見えてくる

◾ ゲンロン2 思想家の東浩紀氏の主催する、ゲンロンカフェから、著書『ゲンロン2 慰霊の空間』*1が送られてきてから、大分時間が経過してしまったが、少しだが、感じたことを書いておこうと思う。東氏の時代認識のアンテナには、いつも本当に驚かされる。い…

今日本のリーダーに相応しい人物像とは

■最高のリーダーとは しばらく、いわゆるビジネス書をあまり読まなくなっている自分に気づき、最近のもので評判がいい本を見繕って読んでみようと思い立った。その中でタイトルもキャッチーで、しかも、このところ少々気になっていた、リーダシップ論に関わ…

人工知能のビジネス利用はどのように進むのか

◾ 用語は浸透したが・・ この2〜3年、私のブログでも何度か人工知能に関わる話題について取り上げてきたわけだが、その度に世間での関心度がまさに幾何級数的に増大してきていることをひしひしと感じてきた。だが、Google傘下のDeepMind社の人工知能プログ…

『悲観大国』日本のままでいいはずがない

▪悲観大国 エデルマン・ジャパンが2月に発表した、世界28カ国で実施した第16回信頼度調査「2016 エデルマン・トラストバロメーター」における日本の調査結果は大変インパクトがあり、ずっと気になっていた。日本は将来への期待度が世界で最も低い『悲観大国…

東日本大震災5年目に思う/またしても歴史は抹消されるのか

◾ いまだに課題は山積み 先日(3月11日)は、東日本大震災から5年目ということで、メディアでは特集番組や特集記事等も組まれて、震災の記憶を取り戻す機会となった。関東に住む私たちにとっては、報道も減り、ともすれば忘れがちにもなるあの大震災の記憶だ…