2015-01-01から1年間の記事一覧

人工知能(AI)は自意識を持つようになるのか?

▪2015年を代表するキーワードの一つ:テクノロジー 2015年がまもなく終わろうとしている。前回は、2015年がテロの年になってしまったことを取り上げてテーマとした。だが、2015年を代表するもう一つのキーワードを忘れるわけにはいかない。テクノロジーだ。 …

テロから何を学ぶべきなのか/矛盾する『政治』と『経済』と『文化』

▪改革を余儀なくされる近代国家(文明) 本年(2015年)も押し迫ってきて、そろそろ10大ニュースをまとめようとこの一年間を振り返ってみると、年初から年末に至るまでテロ事件ばかりが目立って気が塞いでくる。しかも、テロは、年初にパリに始まり、年の終…

水木ワールドに追いつく世界/ 追悼:水木しげる先生

▪良い旅を! 去る11月30日、漫画家の水木しげる先生が逝去された。享年93歳だという。大往生とも言うべき高齢ではある。だが、ネットに見る多くの人の感想とも重なるが、私も何だか先生は、100歳とか120歳とかに至るまでご健在なのではないかとどこかで思っ…

テクノロジーの進化の先にあるのはユートピア? ディストピア?

■視点を遠くに 前回ブログを更新してから、体調を崩して(風邪をひいて)、中々体調が元に戻らないのでブログの更新もすっかり遅れてしまった。ここしばらく、新しい技術のもたらす、具体的な問題点について領域を絞って書いていこうと思っていたので、昨今…

『下町ロケット』だけではわからない/終焉に向かう特許制度

▪テレビドラマ『下町ロケット』 この秋のシーズンのテレビドラマとして、『半沢直樹』や『ルーズベルト・ゲーム』等、高視聴率ドラマの原作者としてすっかりその名が定着した作家、池井戸潤氏の直木賞受賞作『下町ロケット』をベースとして制作されたテレビ…

自動運転車の法律問題を総括すると見えてくる難解な課題

▪越えるべき高いハードル:法律問題 ちょうど今モーターショーが開催されているが、昨今の自動車の話題といえば、まず第一に出てくるのが自動運転車だ。しかも、いつ実現されるかわからない将来の夢ではなく、2020年くらいまでには何らかの形で市場に投入す…

次の噴火は目前?/次世代位置情報関連ビジネスの相貌

▪日本で一早く花開いたジオメディア 日本で世界に先駆けて収益化に成功した、ICT関連ビジネスの成功事例の一つにカーナビゲーションシステムがある。すでに80年代初めごろから商品として投入され、今では日本市場の約7割の自動車にカーナビゲーションが搭載…

いよいよテレビ放送というビジネスモデルも限界かもしれない

▪テレビ復権の年:2013年 今から2年前の2013年はテレビドラマ復活・復権の年と言われたことを懐かしく思い出す。『半沢直樹』のような平均視聴率40%を上回る怪物作品もあるかと思えば、視聴率こそ20%そこそこながら、日本中をドラマの枠を越えてブームに巻…

世界を揺るがすFinTechの恐るべき胎動

▪忘れ去られようとしているビットコイン 去る8月1日、仮想通貨ビットコインの東京の取引所(マウント・ゴックス)から大量のコインや預かり金がなくなった事件で、同社のCEOであったマルク・カルプレス容疑者が逮捕された事件があった。この逮捕劇は、昨年…

現代日本人の宗教心について/スピリチュアリズムの台頭

▪日本人の心の荒廃 バブル崩壊後の失われた20年から反転、アベノミクスによる経済浮揚効果、東京オリンピック開催に伴う景気浮揚期待もあって、多少なりとも好転の兆しが見えかかっていた日本経済も、消費税によるマイナス効果、欧州ショック、中国ショック…

佐野研二郎氏の事件の総括で見えてくる問題の最深部

▪事例研究として最適なケース 最近になってやっと報道も落ち着いてきたが、東京五輪のエンブレムやサントリービールのキャンペーン用トートバッグのデザイン盗用疑惑でバッシングを受けた佐野研二郎氏の問題は、調べれば調べるほど非常に教訓と課題に富んだ…

人工知能を語る前に知っておくべき『デジタル技術革命』の本質

▪デジタル技術革命の本質 前回のエントリーでは、昨今の人工知能のブーム(バブル?)に関して、真贋と時期の見極めが重要であることについて思うところを述べたが、これについて、もう少し付け加えておきたいことがある。 人工知能の理解の仕方はそれでいい…

人工知能の理解の仕方はそれでいいのか?

▪用語は広まったが誤解も多い人工知能の理解 昨今では、『人工知能』『AI 』という専門用語が巷にあふれるようになった。比較的早い段階から注目していた私としては感慨深いものがあるが、一方で、さほどの理解もなく誰もが口にするようになった現状には少々…

東京オリンピックを真に有意義な機会とするには

▪本当にやる気はある? 2020年の東京オリンピックについては、国立競技場の建設問題でケチがついただけでは終わらず、オリンピックのロゴのデザインに盗作疑惑が出てくる等、どうにも締まりがない。国立競技場の問題については、今までの案を白紙撤回したの…

高齢社会に生きる困難さについて

▪風前の灯火の宗教心 毎年この時期はお盆を理由に欠かさず帰省している。10年くらいの間に父母の死が相次いだこともあり、さすがに他の予定を入れることははばかられる。親戚やご近所さんの目を意識してしまうこともある。普段は東京圏内にいて、故郷に帰る…

日本を『空気のみが支配する国』にしてはいけない

▪歴史の転換点 『あの時が歴史の大きな転換点だった』 もしかすると日本の歴史にとって今こそそんな『転換点』なのではないか。普段政治に疎い私でさえ、日本の政治史に大きな潮目の変化といっていい現象が起きていることを感じざるをえない。言うまでもなく…

地球外生命の発見まであと一歩?『系外惑星天文学』

▪第2地球の発見 先日、NASAが、地球から1400光年ほど離れた惑星系に地球によく似た惑星を発見したという報道があり、ちょっとした話題になった。直径は地球の1.6倍、50%以上の確率で地球とほぼ同じ岩石質、地球の太陽にあたる恒星からの受ける熱エネルギー…

もっとシリコンバレーの実相を知る努力をすべきではないか

▪日本企業に流布するネガティブ・イメージ 昨今、日本のインターネットビジネスの関係者や、電器メーカー、自動車メーカー等の製造業の中の人に、米国主要IT企業(Google、アップル、アマゾン、フェイスブック等)についての率直な印象を尋ねると、『脅威』…

技術で社会を進化させるためにこそ不可欠な人文知

▪インターネット化を知る上で重要な一巻 情報通信技術(ICT)の進化はあまりに速く激しく、全貌をとらえることが難しいことはもちろん、限定された領域でさえ、今日理解したことが明日はもう理解を超えてしまうようなことさえ珍しくない。だから、インターネ…

貴重な先行事例となることが期待される日本のゲーム産業

国際大学GLOCOMの公開コロキアムに参加してきたので、簡単に感想を述べておきたい。ソーシャル・ゲームだけではなく、日本のゲーム市場の最新状況全般を短時間におさらいするのに、ちょうどよいイベントだった。今後、何を注目しておけばよいのか、頭を整理…

驚くべき冒険旅行記『たまたまザイール、またコンゴ』

▪2度のコンゴ河の旅 この本*1は、著者の田中真知氏の2度の、手漕ぎの丸木舟によるコンゴ河(中部アフリカのコンゴ盆地を蛇行しながら流れ、大西洋に至るアフリカ大陸2番目の長さを誇る河川)の川下りを中心とした旅行記である。1度目は、田中氏がエジプトに…

佐々木俊尚氏の『21世紀の自由論』を読んで政治について考えてみる

▪混乱の極みの政治 元々政治に疎く、ずっと長いこと政治に期待を感じられずにきた私だが、昨今の政治状況が一段と行き詰っていて、来るところまで来ていることくらいはわかる。最近では選挙があるたびに、投票したくなる候補とてなく、脱力感にさいなまされ…

ネットサービスに不可欠の『動員』の新しいあり方

▪変化するネットサービスのユーザー像 日本のインターネットに関わるユーザー像やユーザー行動が急激に変化しているとの認識は昨今現場の関係者なら多かれ少なかれ共有するところだが、これまでのところまだこの状況を説明してくれる『通説』(ないし、今後…

日本人の本音を知らなければ改革などできはしない

▪日本人とは何か 日本があらゆる意味で行き詰まっていること、非常に大きな過渡期にあることはもはや誰の目にも明らかと言えるが、肝心な現状分析や対応策の方は、百花騒乱のわりにはなかなかこれと言った決め手がない。少なくとも『これぞ解決策』と胸のつ…

ツラい時代を抜け出すもう一つの(そして本当に効果のある)方法

▪男がリアルにツラい時代 著述家の湯山玲子氏の『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』*1の次の一文、なかなかインパクトがある。今現在もそう信じて疑わない人も沢山いると思うが、その信念が強ければ強い者ほど、リアルにツラい時代になっ…

日本人の誇りと自尊心を取り戻すためにこそタブーにも向き合うべき

▪王様は裸? Twitterで話題になっていたので、何気なく読んだのだが、事前の予想をはるかに超えて面白かった本がある。原田伊織氏という作家の『明治維新という過ち 〜日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』*1だ。 タイトルからして、非常に挑発的でもあ…

先行不透明な時代に必要な『未来型秩序合意形成』

■世界を変えたインターネット インターネットが本格的に導入された年を、マイクロソフトのウインドウズ95が発売された1995年だとすると、今年でちょう20年ということになるが、この間に生じた変化は言うまでもなく凄まじい。あらゆるものにその影響は及び、…

インダストリー4.0という巨大なエンジンが回り始めた

■時代の頂点にいるIoT 今、時代のキーワードとして、頂点に立っているといえるIT技術は何だろう。その候補は幾つかあるが、IoT (Internet of Things モノのインターネット) が有力な候補の一つであることにほとんど異論の余地はないだろう。Googleトレンドで…

宗教問題は対岸の火事ではないはず

■イスラム教徒が最大勢力へ 米国の調査機関ピュー・リーサーチ・センターより『世界の宗教別人口は現在キリスト教徒が最大勢力だが、2070年にはイスラム教徒とキリスト教徒がほぼ同数になり、2100年になるとイスラム教徒が最大勢力になる』との予測…

AI関連図書の最高峰『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』

■疑問が次々に解消する! 私が最初に最新の人工知能(AI : Artificial Intelligence )が驚くべきレベルに達していて、今後も爆発的な成長が予想され、その影響も甚大で、世界が一変してしまうほどのインパクトがあることをはっきりと意識したのは、KDDI総研…