2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年10大潮流

■話題が豊富な2014年 2014年というのは、実に話題が豊富な年だった。印象的で記憶に残るニュースが目白押しだった。実際他の情報ソースを見ても、今年は10大ニュースに関わる記事は明らかに例年より豊富だ。昨年末も10大ニュースをまとめてみようと取組んだ…

インターネット文化の未来について

■インターネットの総括の時期 今年は、年の中ごろに、昨年(2013年)は『ゼロ年代のインターネットの夢の挫折の年』だったのではないかという主旨の記事を何度か書いた。当時はこの視点をさらに深堀して、『インターネットの夢』とは何だったのか、誰が夢を…

米国の静かな革命は底堅いと考える根本的な理由

■誤解を与えた? 『革命』という用語 前回の記事は、急激に格差が広がる米国でわずか1%の富裕層が国富の半分を占め、政治の中枢を強力なロビーイングで牛耳る現状につき『何とかならないのか』という問に答える形で、99%層の反転の可能性や希望について書い…

米国の静かな革命が、今後大きな潮流になると考える3つの理由

■米国の強力な『複合体』 先週は米国の悲惨ともいえる状況について記事を書いたら、思った以上に大きな反響をいただいた。ただ、『あまりに救いがないのは何とかならないのか』、と言うご意見が結構あって、私自身が多少なりともそう感じていたこともあり、…

選挙前に知っておくべき、米国で今起きている恐るべき事実

■選挙戦スタート 11月21日、衆議院は解散し選挙戦がスタートした(事実上した)。二年ぶりの衆院選挙だ。しなしながら、正直なところまったく沸き立つものを感じない。小選挙区制が機能する前提は、拮抗する二大勢力が存在することなのに、野党は総崩れでそ…

本当に世界を変えてくれるかもしれない経営者とは

■イーロン・マスク氏のすごさ 先週のエントリーで、米国のカリスマ起業家/経営者であるイーロン・マスク氏が、人工知能に関して衝撃的な見解を持っていることを取り上げたわけだが、意外に自分がイーロン・マスク氏のことをあまり知らないことに気づいた。…

人工知能に揺さぶられる『人間の心』/誰も逃れることはできない

■現実味の増した人工知能(AI)の問題 自分で書いておいて言うのも何だが、昨今、人工知能(AI)に関する記事や書籍がやたらに増えた。研究者が語る専門的な内容にはじまって、産業論的なアプローチから、SFタッチのものまで、猫も杓子もという感じだ。しか…

スマートマシンが席巻する世界でも生き残る日本企業のあり方とは

■スマートマシンを核とした巨大システムの脅威 先週は、IT分野の調査・コンサルティング企業である、米ガートナー社が公開した記事から、今後、ITの歴史上最も破壊的な影響を持つことになると予想されるスマートマシンとそれを囲む『巨大なシステム』のイメ…

ITの歴史上最も破壊的な『スマートマシン』が市場を席巻する近未来

■衰退する日本企業 今月10日、日本最大規模でITの最先端技術の展示が行われるイベント、CEATECが閉幕したが、今回の出展企業数は過去最低となった模様だ。個別の企業で見ても、長年このイベントを華やかに彩って来たソニーは(経営不振もあって?)出展を見…

たぶん今日本で一番奥深いアイドル論/『アイドル国富論』

■この人がアイドルを語る?! 『アイドル国富論』*1というタイトルをふとネット記事で目にして、さほど気にならずに見送ろうとした時、著者に気づいて今度はものすごくビックリした。境真良氏! 私が知る境氏は、経済産業省の現役官僚にして、国際大学GLOCOM…

日本企業の労働現場の改革と葛藤/日本の真の強さとは

■年休取得率向上の取り組み 10月は「年次有給休暇取得促進期間」なのだそうだ。このような活動が、今日どの程度機能するものなのか正直よくわからないが、厚生労働省は2020年までに、年次有給休暇の取得率70%を目標値として掲げている。しかしながら、直近…

ウェブメディアの希望の星/カルチャーメディア『ナタリー』

■強烈なアンチテーゼ:ナタリー 先週は『キュレーションメディア』について取り上げたのだが、その内容の半分くらいは旧来のメディアである新聞や雑誌、特に新聞の現在について語ることになった。組織として新聞社が昨今非常に『残念』な状況でもあり、当分…

興隆する『キュレーションメディア』の側から見える市場

■市場を席巻する『キュレーションメディア』 ここのところ、所謂、『キュレーションメディア』が非常に勢いがいい。 先鞭をつけたのは、アルゴリズム分析でインターネット上から各ユーザーに最適なニュースを見つけて配信するサービスを2012年に開始したグノ…

『行動経済学』雑感

■『行動経済学』の広い影響範囲 『行動経済学』は今ではすっかり市民権を得ていて、次々と提示される興味深い理論や実験結果は多くの注目を集めている。私も、ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞を受賞して行動経済学への世間的な関心を一気に高めた…

ソーシャルメディアの現状から見えてくる危険なシナリオ

■要注目の記事 IT/メディアジャーナリストの田中善一郎氏のブログ記事、『多様性が失われるソーシャルメディア、「沈黙のスパイラル」へ』は、非常に目から鱗が落ちる思いで読ませていただくことになった。 友達や家族、同僚に対しても、異なる意見を擁して…

合理主義でかすむ奥深い価値/ワールドカップの負の置き土産

■消化しきれない『ミネイロンの悲劇』 ブラジルのワールドカップが終了して1月半あまり、世界のサッカー界は、ワールドカップ後の新しい勢力地図の構築に向けて動き出している。得点王に輝いた若き新星、ハメス・ロドリゲスは世界屈指のビックグラブ、レア…

『価値』を救い出せ!

■炎上した『従業員は家族』発言 多少時間が経ってしまったが、昨今ブラック企業と揶揄されることの多いワタミの桑原社長の『従業員は家族』発言は、ちょっとした炎上騒ぎにもなったので、記憶に留めている人も多いと思う。この発言は、2014年7月28日付けの東…

日本をやり直すために必要なこと

■比較的楽観的だったIT業界でさえ 今の日本は色々な意味で、『ギリギリの状況』にあることはやはり間違いない。遠からず、従来以上にドラスティックな変化が(良し悪しは別として)次々に表面化してくるのは間違いない。それなのに、指針というか、進むべき…

それでも希望はある/佐々木俊尚氏の新著を読んで

■相補的な二冊 先週は、東浩紀氏の新著『弱いつながり』*1の書評を書かせていただいたわけだが、本書とほぼ同じタイミングで出版された、ジャーナリストの佐々木俊尚氏の『自分でつくるセーフティネット』*2を同時に読んでいて、正直唖然としてしまった。ま…

東浩紀氏の新著『弱いつながり』が誘う『自分の似姿の世界』の外側

■時代の変調を察知する『カリスマ』 今年に入って何度か、2013年という年は『ゼロ年代のインターネットの夢の挫折の年』だったとブログに書いてきた。私のような市井の者がいうまでもなく、最近では、ゼロ年代にインターネットシーンを強力に引っ張って来た…

甦る『経済と道徳の合一』/意味が根本から変わる企業の社会的責任

■CSR(企業の社会的責任) ベネッセホールディングス社の個人情報漏洩事件は、規模も大きく(2000万件超)、しかも子供の情報という世の親の感情を逆なでする情報の漏洩ということもあり、派遣会社社員の犯罪であることがわかった今でも、CSR(企業の社会…

日本の近未来像は人口問題抜きには語れない

■活発に語られる人口減少問題 このところ、人口問題が、というより『日本の人口減少問題』が非常にシリアスに取り沙汰されている。本年の始め、週刊東洋経済は『人口減少の真実』というタイトルで特集記事(2月22日号)を組んだが、直近でも、今度は週刊ダ…

時代の潮目の変化と備えておくべきこと

■東浩紀氏の語りで気になったこと 思想家の東浩紀氏が主催するゲンロンカフェでのイベントはネット配信されていて、有料であれば全て視る事ができるが、7月の配信プログラムにつき東氏自身が解説をしていて、この動画がものすごく面白い。プログラムの説明…

『静かなる革命』について自分でも考えてみた

■ネットに期待していた 前回のエントリー*1でも書いたような、イノベーティブな個人を潰す傾向のある日本企業の組織のことは、ずっと以前から私が意識し続けた問題なのだが、2000年代の半ば位からSNSが本格的に普及し、インターネットを通じた双方向コミュニ…

イノベーション/創造性を破壊する日本企業の組織の恐ろしさ

■盤石のAmazon 先週、以前から噂されていたAmazonのスマホがとうとう本当に発表された( Fire Phone) 。低価格、独自のユーザー・インターフェイス(UI)、Amazonのサービスとの連携のし易さ等が訴求されており、まだユーザーやアプリ開発者にどの程度支持され…

機械と人間の共生について突き詰めて考えるべき時が来ている

■Google会長の見解 Googleのエリック・シュミット会長は、Google のシンクタンクGoogle Ideasの創設者であるジャレッド・コーエン氏(Googleの従業員)との共著『第5の権力』*1で、技術イノベーションが今のペースで続けば、2025年には80億に達すると想定さ…

『資本主義の死』と『幸福』と『良く生きること』

■不都合な真実 『不都合な真実』と言えば、アル・ゴア元米国副大統領が出演し、地球温暖化問題を喧伝する映画であり、出版された本のタイトルだ。二酸化炭素はじめ、様々な温暖化物質の排出増大によって引き起こされる気候変動の危機を問い、当時非常に話題…

日本のメディアはどうなってしまうのか

■日本のメディアの現状 元電通で、その後サイバーコミュニケーションのCEOもつとめた、長澤秀行氏編著の『メディアの苦悩 28人の証言』*1を興味深く読んだ。内容も面白いが、この本の帯に書かれたコピーもふるっている。 『もう、メディアは何をやってもダメ…

今の世を読むテクストとしての『村上海賊の娘』

■売れている理由を解明したくなる本 こんなに長い時代小説を一気に読んだのは本当に久しぶりだ。2014年の本屋大賞を受賞した和田竜氏の『村上海賊の娘』*1 *2である。上下巻合わせて合計1000ページ近い大作にして、100万部を突破したというから、市場も大き…

製造業の進化系とは/サービスの起点となる『モノ』づくりへ

■正念場のアベノミクス アベノミクスがいよいよ正念場を迎えようとしている。『第3の矢』と呼ばれる、成長戦略だが、本年6月には、『新成長戦略』が策定される予定だ。2013年に出て来た成長戦略は、産業政策がその大半であり、海外の投資家にもほとんど評…