2013-01-01から1年間の記事一覧

法律理解がビジネスの勝敗の根本を左右する時代

■経営者や一般のビジネスマン向けの法律書 TMI総合法律事務所パートナーの淵邊善彦弁護士より新著『ビジネス法律力トレーニング』*1を献本いただいたので、今回はこの本について感じたままに書いてみたい。と言っても、いつもながら書評というより、その本を…

『グロースハッカー』/世界を震撼させる魔法使いたち

■また新語? 今回は『グロースハッカー』*1という新著のご紹介と、その感想がテーマだが、このテクニカルタームをいきなり出すと、また読者のアレルギー反応を誘発してしまいそうで少々心配だ。だが、これは従来にはなかった役割を表現するためにあてがわれ…

自治体の衰退にどう対処していくべきなのか/ゴーストタウン化の危機

■トヨタ市に対する懸念 以前に住んでいて,しばらくぶりに出かけるとその変貌ぶりに驚いてしまう場所というのは、誰にも一つや二つはあると思う。私の場合、その典型なのが愛知県トヨタ市だ。私の記憶の中のトヨタ市は、『ど』のつく『田舎』だ。当時も急速な…

やはり辻井喬氏の再評価が必要だ/都市集積と洗練そして個の自立

■秘密保護法の成立 国家機密の漏えいに厳罰を科す「秘密保護法」が、反対意見の沸騰も空しく、12月6日に国会で成立してしまった。米国の有識者からも「民主国家では今世紀最悪」との批判も出たように、この法案自体非常に問題が多いことは言うまでもないが、…

福島第一原発観光地化計画/乗越えられるべき狭義の現実主義

■福島第一原発観光地化計画 思想家/作家の東浩紀氏がプロデュースする福島第一原発観光地化計画についてまとめた本、『福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2』*1が出て来たので、早速拝読して何か書いておこうと思って買い求めた。このシリーズの前…

第12回ジオメディアサミット/静かに語られた大事なこと

第12回ジオメディアサミットに参加してきたので、いつものように感想をまとめてみた。ただ、いつも以上に専門性の高いお話だったため、的外れな感想となっているかもしれないので、その場合はご容赦いただきたい。 概要は以下の通り。 【開催概要】 ・テーマ…

地震とオウムだけでは語り尽くせない『1995年』

■特別な年/転機:1995年 歴史を遡ると、何かただならぬ因縁や気配を感じたり、強烈に人々の意識に焼きつく年というのがある。大事件や災害等が立て続けに起きる年もそうだし、何かが象徴的に始まったり終わったりする年、その時代を象徴する人が死んだり、…

究極の口コミマーケティング/アンバサダー・マーケティング

■マーケティングは面白い 私のブログでは、何度か『マーケティング』をテーマにしたエントリーを書いて来た。特にブログを書き始めた最初のころは、どの話題を書く時よりも、すらすらと筆が進んだものだ。自らのキャリアの中でも、このマーケティングという…

ゲリラ戦法をドワンゴの川上会長から学ぶ意味

■残念な日本企業 先日、日本のIT/電気企業の現状を肌で感じてみようと思い、CEATEC(IT&エレクトロニクス産業の日本最大の展示会 )に出かけてみた。だが、ある程度予想していたことだが、大半は昨年とほとんど変わらないコンセプトに、多少新しげなしつらい…

組織に残すべき要素は市場では得られないものだけ

■取引コスト 米国の経済学者、オリバー・ウィリアムソン氏(ノーベル経済学受賞者でもある)が提唱する概念に、『取引コスト』というのがある。 市場では、人間は完全に合理的に効用を最大化することを新古典派経済学では仮定してきたが、実際に社会に出てみ…

『歴史の終わり』の時代には日本の思想が輝くかもしれない

■歴史や社会思想を語る佐々木俊尚氏 ジャーナリストの佐々木俊尚氏のメルマガ(佐々木俊尚の未来地図レポート)は、IT技術やビジネスモデルの最先端の詳細な解説で定評があるが、それ以上に当該の技術やビジネスモデルの歴史的経緯、市場や社会の文脈の中で…

インバウンドマーケティングは企業を根底から揺さぶる大隕石か?

■インバウンドマーケティング 昨今、マーケティング業界で非常に注目されていて、今後世界の主流となるといわれている手法/コンセプトに、「インバウンドマーケティング」というのがあるのはご存知だろうか。(これに対して、従来のマーケティングは「アウ…

日本発ソーシャルゲームの命運は?

9月26日に開催されたシンポジウム「新しいビジネスモデルとしてのソーシャルゲーム」に参加してきたので、感想をまとめておきたい。 このシンポジウム、全体の設計がとてもよくできていて、登壇者のバランスもとれていたと思う。おかげで、私のようなこの…

エリート教育に望みたいこと

■うさみのりや氏 うさみのりや氏という元官僚の書くブログがとても面白い。略歴によれば、東大経済学部を経て経済産業省に入省し電機・IT分野を担当していたが、現役中に、「三十路の官僚ブログ」というブログで、官僚生活の給料や生活などの内幕話を公開し…

オープンデータ促進で日本を良い国に/でも課題は多い

グーグル株式会社と国際大学GLOCOMが共同で立ち上げた、『Innovation Nippon プロジェクト』の一環として行われたシンポジウム(第一回目)、『オープンデータのフロンティア:イノベーションの課題は何か?』に出席したので、若干の感想を書き残しておきた…

ハードからソフトへ/どうマインドをチェンジすればいいのか

■『NTTドコモiPhone採用』の衝撃 アップルのiPhone5S発表が近づいてきたが、ここに来て市場の話題をさらっているのは、NTTドコモがとうとうiPhoneを扱うことが決まったという報道だ(現時点でまだNTTドコモの公式発表はないが状況から見て確実と言っていいだ…

最近の『飲食店/若者/炎上』の意味するところ

■気になる炎上事件と冷静な世論 この夏、私が一番気になった現象は、コンビニの冷蔵庫に入った写真をTwitterで公開して炎上するような、所謂、飲食店で炎上する若者の急増である。 このタイプの炎上は、今回の騒動が起きる前から事例としてはあったし(ケン…

ブロガーの将来は明るい?/ブロガーサミット2013

■ブロガーサミット2013 8月24日(土)、ブロガーとしても著名な、徳力基彦氏が社長をつとめるアジャイルメディア・ネットワーク(株)主催で行われた、『ブロガーサミット2013』に参加してきた。開催概要は下記の通り。 日時 2013年8月24日(土) 12時半開場 …

ドラマ『半沢直樹』の含意を深読みすべきと考える理由

■『半沢直樹』が面白い TBSのテレビドラマである『半沢直樹』*1が面白い。視聴率もうなぎのぼりらしい。銀行ではないが、私自身、かつてのがんじがらめの『日本株式会社』『日本企業ムラ』『終身雇用の社畜』を身を以て経験しただけに、ものすごく共感し、カ…

自信を持っておすすめできるブログを書くメリット

■イベントの前に自分を振り返る アジャイルメディア・ネットワークの代表取締役である、徳力氏が、日本で主要なブログサービスが始まって10年という節目に、1000人規模の参加者を迎えて、一大ブログ/ブロガーイベントを企画している(ブロガーサミット2013…

『不格好経営』を読んでDeNAはこれからも成長を続けると確信した

■あっという間に読める 今や日本を代表するIT企業に成長したDeNAの創業者、南場智子氏の著書、『不格好経営』*1は発行後間もなく買い求め、わずか2日ほどで読んでしまった。内容が興味深いこともさることながら、非常に軽妙なテンポで書かれていて大変読み…

亡き父に息づいていた日本の伝統思想/『無常観』と『隠遁の思想』

■再び『死』に向き合うことに 去る7月18日に父が突然亡くなったため、葬儀から相続の手続き、実家の諸事等に振り回されて久々にその週のブログを休んでしまった。7年前に母が亡くなり、兄弟もいないので、何でも自分でやるしかない。親戚の手を借りように…

今こそ必要なバブルの理解/W村上で読み解く80年代バブル文化

■3回全部参加した 編集者・ライターの速水健朗氏による『80年代バブル文化読み解き講座』のシリーズ第3回目に参加してきた(7/10)。過去2回同様、自分の書ける限りでレポートを書いておこうと思う。最終回の今回は、前2回にもまして質疑のレベルが高く、…

先入観が洗い流される『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』

■いち早く拝読した! 先週、ゲンロンカフェで、『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』*1をいち早く入手して拝読したので、感想文を書いておこうと思う。これは、思想家の東浩紀氏を中心に立ち上がったプロジェクトである、『福島第一原発観光地計画…

ゲンロンカフェで『佐々木俊尚×東浩紀トークショー』を聞いて来た

最近、すっかり入り浸っているゲンロンカフェで、ジャーナリストの佐々木俊尚氏の新著をネタに、思想家の東浩紀氏との対談が行われると聞いたので、参加してきた。 開催概要は以下の通り。 日時:2013年6月29日(土) 19:00〜21:00 タイトル:佐々木俊尚×東…

80年代バブル文化読み解き講座 by速水健朗(第2回目)

思想家の東浩紀氏が経営するゲンロンカフェで行われた、編集者・ライターの速水健朗氏による『80年代バブル文化読み解き講座』の第2回目に行って来たので、レポートを書こうと思いながら、ずいぶん遅くなってしまった。完全に旧聞になってしまった感があるが…

佐々木俊尚氏の新著『レイヤー化する世界』を読んで

■待ちに待った新著 前著、『「当事者」の時代』(2013年3月)から1年と3ヶ月、ジャーナリストの佐々木俊尚氏の新著、『レイヤー化する世界』がついに発刊された。いわゆるICTの最先端の世界の現状を言語化し、出現しかかっている未来に名前を与え、他方、…

堀江貴文×東浩紀トークショー「電子書籍はなぜ使われないのか」

先日(6月5日)、思想家の東浩紀氏の経営するゲンロンカフェで行われた、堀江貴文氏と東浩紀氏の、堀江貴文×東浩紀トークショー「電子書籍はなぜ使われないのか」に参加してきた。 開催概要は下記の通り。 日時: 2013年6月5日(水) 19:00〜21:0…

WOMマーケッティングサミット2013/興味と納得と心配事

去る5月27日(月)に、『WOMマーケッティングサミット2013』に参加した。レポートのタイミングとしては完全に周回遅れなのだが、このイベント、私の事前の予想をはるかに上回ってものすごく面白かったので、是非何か書いておきたいと思った。ただ、予め断って…

寓話で測る日本人の心の成熟度

■You Tubeで見つけた面白い話 先日You Tubeの様々なコンテンツを渉猟していたら、評論家の浅羽通明氏の講演(講義)があって非常に面白く、つい見入ってしまった。その内容自体についても別途また考察してみたいものだが、今回はその中に出てくる寓話の一つ…