2011-01-01から1年間の記事一覧

2012年は破局の年? エキサイティングな年?

■波乱の2011年 ものすごい波乱の年だった2011年が後数時間で終わろうとしている。 ここ何年も、この時期に1年を振り返るというようなことをあまりやらなかった私も、さすがに今年ばかりは一体この一年は何だったのか、そしてそれは自分自身にどのようなイン…

『父親/理想の男性像』『父性』不在の日本の諸問題

■『断絶』がサブテーマ ここしばらく自分自身が書いて来たエントリーを振り返ると、メインテーマの背後にあるサブテーマとして繰り返し意識していたのは『断絶』だった気がする。経済成長する日本を知る世代と知らない世代、インターネットに物心がついた頃…

『家政婦のミタ』と『南極大陸』の違いは実に興味深い

■今年のNO.1? 私は比較的テレビドラマをみる方だと思う。良い作品はもちろん、駄作と評価されるような作品でも、そこから様々なことを読み取れる気がして(いわば自分が認識を深めるためのテクストとして)それなりに楽しめる。秋クールでもいくつもみてい…

ビジネスの競争の意味/軸を変えつつあるスマート社会

■FTMのラウンドテーブル(Green Table) 国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)のフューチャー・テクノロジーマネジメント(FTM)の一貫で行われているラウンドテーブル(Green Table)に参加してお話を聞かせていただいた。概要は下記…

『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』を読んで

■待ちに待った本 待ちに待った哲学者・作家・評論家、東浩紀氏の『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』が発売されたので、早速入手して拝読した。一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/11/22メディ…

『絶望の国』を『希望の国』に変えるためには

■繰り返される若者論 若者論というのは、私が知る限りでも史上何度も繰り返されてきたテーマだと思う。そして、誰がそれを語ってきたかと言えば、ほとんどが大人の側だろう。自分たちの旧来の価値観や生活習慣等と比較して、あきらかに違って見える若者を理…

自分自身を明確な言葉で語ることが日本を変えるためには絶対に必要だ

■TPP狂想曲第二幕 予想通りTPPの騒動は簡単には終わらなさそうだ。APECでの野田首相の発言は早々、『二枚舌』との誹りを受け、新たな混乱の第二幕が開いた感がある。農業関係者はじめ、反対派も簡単に矛先をおさめるとは考え難く、国論を二分するあらたな大…

不可避のパラドクスにどう対処するのか

■日本にとって喫緊の問題とは 最近、非常にホットな話題と言えば、皆何を筆頭に上げるのだろうか。今年は地震や津波、原発事故等歴史に残る重大災害や事件が相次ぎ、海外に目を転じても、中東やアフリカでは続々と独裁体制が覆り、欧州も米国も世界恐慌の引…

今経営学/ビジネス関連図書を読むにあたっての8つの留意点

■深い探求が求められ始めた 昨年から今年にかけて、経営学者のピーター・ドラッカーのことが日本でも非常に話題に上がる事が多かった。これは、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』*1という、非常にユニークな本が3…

日本のインターネットの『ネットワーク』生成にあたって

■馴染んできたIT業界の常識 普段、インターネットの最新事情、それによって劇的に変化を遂げる市場の状況等について、比較的しっかりとした見解を持っている人のブログやTwitterを読み、セミナー等に出席し、そういう人たちと意見交換をすることを心がけてい…

LinkedIn日本上陸ブロガーイベント/刮目してみるべき理由

■概要 10月20日(木)に、ビジネスに特化したプロフェッショナル向けSNS、『LinkedIn』を運営する米LinkedIn社主催のブロガー・イベントにAMNより招待いただいたので、参加してきた。(同日、日本語サイトが開設/公開され、渋谷にリンクトイン・ジャパン株式…

20年以上前にすでに指摘されていた現代日本の構造問題

■再び注目される山本七平氏 自分自身のブログでも何度も取り上げて来た、いわゆる『空気』の問題は、著書『空気の研究』*1で一世を風靡した評論家の故山本七平氏の名前と共に、近年様々の人が取り上げ、いつのまにか生前の山本氏を知らない世代の間にさえそ…

市場を機能させる非市場的要素/隘路からの脱出に向けて

■ずっと『失われた』ままの日本 『失われた○年』というような、何やら翻訳もののSF小説のタイトルのような言い方が流布しはじめたのはいつの頃からだっただろうか。そもそもこの言い方の背後には、いつかまた経済成長軌道に復帰できるはずという黙示の了解が…

不可避的な『システム』と『生活世界』の衝突と打開の可能性

■更に進化するFacebook 凄まじい勢いで会員を増やして来た、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の雄Facebookは、全世界の登録ユーザー数が8億人を超え、1日の利用者数は5億人を上回ったのだという。まさに破竹の勢いとはこのことだろう。だが、ここ…

大企業だからこそ負ける理由

■負け続ける日本企業 先日、ソニーからiPadの対抗商品として、『Sony Tablet』*1が発売されるというニュースがあったので、自分なりに事前評価記事等をあたってみた。ソニーの、この商品を全体のラインアップの軸としてアピールして行きたい、という意気込み…

依存と幻想からの脱却/思想地図β Vol.2

■貴重な地図であり羅針盤:思想地図 東浩紀氏編集の思想地図は、発売以来欠かさず読んで来た。それは広く一般の人が読むことができるほど平易ではなく、参入するためには一定のハードルを越えなければならない。現代日本ではすっかり衰退してばらばらになっ…

劇的な構造変化の予感と光明/WISH2011+

■WISH2011+ 9日7日(水)にアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)*1主催で開催されたWISH2011+に参加してきた。 これは『日本のWebサービスの明るい未来を担う新サービス発掘プレゼンイベント』ということで、2009年から始まったイベントだが、従来は無名…

アクティブサポートのすすめ/企業とソーシャル・メディア

■Twitterアクティブサポート入門を読んだ 私のブログの師匠*1から、彼の盟友で、ブログsmashmedia*2の中の人でも知られる河野武氏の新しい本が出たことを聞いたので、早々に入手して拝読した。(読み切るのには少し時間がかかった。) Twitterアクティブサポ…

企業における『組織』から『個人』へのシフトの意味と重要性

■スティーブ・ジョブズ氏 アップルCEO辞任 先週飛び込んできた最もインパクトのあるニュースと言えば、何といっても『アップルのスティーブ・ジョブズ氏のCEO辞任』だ。当代随一のカリスマであり名経営者であるジョブズ氏の辞任ともなると、その関連の記事も…

プラットフォーム戦略に勝利する『決め手』

■続々舞い込む大ニュース 最近、IT/電機業界を震撼させるような大ニュースが次々に舞い込んで来る。厳しい栄枯盛衰のドラマはこの業界の常とは言え、自分もこの競争の端くれにいることもあって、一時の勝者があっというまに次の時代の敗者に転落していく様…

第三の敗戦を乗り越えるには

■第三の敗戦とは アップルのiTune上のPodcastで田原総一郎氏の番組、「タブーに挑戦」を聞いていたら、元経済企画庁長官で評論家の堺屋太一氏のコメントに話題が及んで、それが少々耳に残っている。これはどうやら堺屋氏の著作、「第三の敗戦」*1に関するも…

世界の火薬庫? 中国情勢から目が離せない

■驚くべき年 2011年 国際的、あるいは歴史的に重要な意味のある事件は時に互いが互いを呼び合うようにして、ある特定の時期に集中的に起きることが多いのは(大変不思議なことではあるが)誰もが内心感じている経験的事実と言っていいだろう。近いところでは…

『飼いならされた感動』から『本物の感動』を志向する社会へ

■ウインドサーフィン 私事だが、私はウインドサーフィンをやっている。事情を知らない人にそう言うとサーフィンと勘違いする人が多いのだが、セールで風を取って疾駆する姿はヨットに近いかもしれない。だが、最高スピードはヨットを上回る。上級者になると…

コミュニケーションが『対立』から『共感』に転じるとき

■ブログを書くことの意義 自分自身でブログ記事をいくつも書いてみると、自分が意図的にテーマとして取り上げて書いていることとは別に、無意識にテーマとして感じている事が浮かび上がってくることがある。色々な事例をひいたり、様々な言い方をしているが…

『社会』より『会社』を大事にしてきた日本を変えるとすれば

■重要な研究材料としての『九州電力やらせメール事件』 いわゆる九州電力のやらせメール事件は責任者の処分等をめぐってまだくすぶっているようだ。だが、重苦しい不信感を後に残しながらも、すでに世間の関心は薄らぎ始めている印象がある。確かに、原発事…

恫喝と恐怖支配からの脱却/インターネットは日本を救ったか

■象徴的かつ示唆的な松本復興担当相の事件 松本龍復興担当相の暴言とそれに引き続く辞任騒ぎは、日本の政治シーンではもうすっかり見慣れたドタバタ劇の一つではあったのだが、最初にYouTubeによるTV画像を見た時に、もしかするとこれは時代の分岐点を象徴す…

歴史から正しい見識をえるためには

■大変面白かったテレビドラマ『仁ー完結編』 好評のまま先週最終回を終えた、大沢たかお主演のテレビドラマ『仁ー完結編』は私の周囲でも非常に評価が高く、大変話題になっていてた。私も、原作の漫画もすでに読み終えていたものの、原作とドラマにはシナリ…

AMNブロガー・イベント/ぐるなびの新サービスSquare Clip

■概要 6月21日(火)に、久々にアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)主催のブロガー・イベントに参加してきた。今回の題材は最近リリースされた、グルメサイト運営で有名な(株)ぐるなびの新サービス『 SquareClip』。企画者から直接説明を受け、集まった…

『集団的思考停止』はやはりもうやめにしないか

■集団的思考停止を認めた! 先日(6月14日)の毎日新聞(ネットニュース)に非常に印象に残った記事があった。内閣府原子力委員会の14日に開かれた定例会議における専門家の意見聴取で、原子力案縁の専門家として知られる北村正晴東北大名誉教授から次のよう…

第7回ジオメディアサミット/3.11後をリードするジオメディア

■第7回ジオメディアサミット概要 6月8日に東京大学駒場リサーチコンベンションホールで行われた第7回ジオメディアサミットに参加してきた。 第7回ジオメディアサミット : ATND 開催概要は以下の通り。 テーマ: ジオメディアにできること 日時: 2011年6…