2008-01-01から1年間の記事一覧

結局、携帯電話の使用制限? 

■結局こういう方向に? 教育再生懇談会の最新の報告を拝見して、結局、携帯電話の使用制限という方向に議論が戻って行く状況を見て、大変大きな危機感を感じた。以下、毎日新聞の記事の抜粋である。 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は…

第2回オフラインnewsing に参加して

■オフ会の概要と感想 昨日(5月16日)、オフラインnewsing 『日本のニュースサイトはなぜつまらないのか』オフラインnewsing Vol.2 『日本のニュースサイトはなぜつまらないのか』|近江商人JINBLOGに参加してきた。 前回(2月8日)に続いて、今回は2…

つくられた『若者』の時代と家族の解体

■膨らむ女性の夢 私が物心ついたときから、すでにバレンタインデーは、女の子が男の子にチョコレートをあげて愛の告白ができる貴重な日だった。今のように義理チョコという概念が未成熟なこともあって、ある意味ではとてもボルテージの上がる大変な一日だっ…

『常識』ではもうだめだ!

■否常識/脱常識 『33人の否常識』*1という本がある。アメリカのビジネス書ベストセラー作家33人が、型破りな発想術72個を披露し、読者の固定観念をやぶってくれる、というふれこみだ。この本の編集はご存知マーケティング界のカリスマ、セス・ゴーディ…

時代が必要とするユーザー分析と顧客志向

■顧客志向反対論 完成度の高い製品が溢れて、顧客の問題の多くが解決されてしまっている時には、顧客の言うことを聞きすぎることがあだになる事例は意外に多く聞くものだ。マイクロソフトのように、顧客の意見をソフト製品に反映しすぎて、かえって統一性が…

希代のトリックスター にしむらひろゆき

■トリックスターとは? 『トリックスター』という存在がある。 これは、ポール・ラディンがインディアン民話の研究から命名した類型であり、のちカール・グスタフ・ユングの『元型論』で「トリックスター元型」として人間の超個人的性格類型として取り上げら…

大人世代がやるべきこと

■日本社会の閉塞性 日本の社会に暮らすというのは、結構肩が凝ることだ。学生時代には、日本が農耕型社会であること、特に、徳川家康の個性が色濃く引き継がれた幕府の長年の支配により、日本人の気質が閉鎖的で農耕型となるべくしつけられてしまっている、…

夢ある日本のIT企業として世界と勝負するには

■日本のIT業界の現状 IT業界というのは、本来とても夢のある業界だと思う。本当に世界を変えることができる可能性に繋がっている。私自身他業界を渡って来た実感からも、やる気のある若者には是非お薦めしたい業界だと思っている。IT業界という定義では範囲…

海部美知さんへのインタビュー

■海部美知さんの著書への共感 丸の内インターネットラジオというポッドキャスティングの番組で、海部美知さんのインタビューが収録されているということを知り、聴いてみた。 海部美知さんのことは、著書である『パラダイス鎖国』を読むまで存じ上げなかった…

『可視化の毒』と『見えない』競争の重要性

4月21日のエントリー(過当競争を抜け出るために - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る)で、一橋大学大学院の楠木建氏による、『次元の見えない競争』のことを今度紹介する旨書いたまま、そのままになっていた。あのエントリーから一足飛びに紹…

供給者/開発者がはまる四つの落とし穴

■過酷な現代の市場 今の日本の商品やサービスで、成長過程にあると言えるものは何だろう。 ついこの間まで、そう思われていたDVDレコーダーやデジタル・カメラ、薄型テレビなどはあっという間に成熟し、すでに過当競争が起き、コモディティと呼ぶしかない段…

『楽しさ』を見誤った日本

■『楽しい』って何だろう? 『楽しい』というのはどういうことなのか、という問いを突き詰めて行くと、非常に深淵な哲学的な問題になる。試しに、今あなたが楽しいのは何ですか? どうしてそれが楽しいんですか? と誰かを問いつめて行くと、ほとんど確実に…

マーケティングにおける『経験』経済の重要性について

■マーケティングにおける『経験』の発祥と経緯 昨今、マーケティング分野においても、『経験』の重要性が盛んに説かれるようになった。 これを『経験経済』というタームで最初に唱えたのは、『経験経済*1』の著者である、B・J・パインII氏とJ・H・ギルモア氏…

ダライ・ラマの示唆するWeb2.0時代のマーケティングと経営

■web2.0時代のマーケティング アンカテ(uncategorizabe blog)の、4月21日付けのエントリー、『ダライ・ラマから学ぶweb2.0時代のマーケティング』ダライ・ラマから学ぶWEB2.0時代のマーケティング - アンカテに非常に興味を感じる内容を見つけたので、それ…

駒沢大学の授業でお話しをしてきた

今日は、会社の顧問弁護士が教授としてクラスを持っておられる、駒沢大学にお邪魔して、教授のご質問にお答えする形で、学生に思うところをお話してきた。(法律時事英語クラス) 一年生から四年生まで混在する大教室での授業だったが、今の時期の出席は一年…

引き裂かれるソフトとハード そしてすべて水平分業へ

■ムーアの法則の破壊力 先日、未来を確実に予想するための手段として、人口構造を重視したドラッカー氏のことを書いたが、IT/情報産業の未来を予測するためには、どうしても欠かせない重要な法則がある。今やすっかり有名になった、『ムーアの法則』*1であ…

『オタクはすでに死んでいる』んですか?

■日本のオタク文化は世界に普及 日本のオタク文化が世界的に受け入れられた、ということはどうやら一般的にも認知されてきたと言って良さそうだ。オタクの聖地アキハバラを目指して、遠く異国の地からやってくる外国人の勇ましい話もさることながら、欧米/…

人間不在のユビキタス社会

■ユビキタス社会の到来 いつのころからか、ユビキタス*1などいう、特殊な言葉が現代社会を象徴し、インターネットを介在に、すべての人と物をつなぐという意味を持ち始めた。そして、『ユビキタス社会*2』到来が近いと言われ、様々な企業からその未来像が提…

情報過多時代を勝ち抜く能力

■情報量過多時代の競争力 情報過多時代に最も必要と考えられる能力の一つは精度の高い情報収集力だ。本当に必要な情報にすばやくたどり着くことができるスキルは、今後ますます重要になるだろう。優れた検索技術によって、web全体を巨大なデータベースとする…

ウオール・ストリートに打ち勝つヒッピーたち

■グローバリズムの世界制覇 ソ連等の共産主義国家が次々と崩壊し、中国も事実上自由経済圏に入ったと言って良い現在、アメリカ流の資本主義がほぼ覇権を握り、『グローバリズム』と称して世界を席巻することになった。特に資本主義国といいながら、実のとこ…

マネタイズ・チャンス

■ブログは書籍化できる! 湯川鶴章氏のブログのエントリー、『ブログの書籍化普通にあり』に触発されて考えてみたことを書いておきたい。http://it.blog-jiji.com/0001/2008/04/post_4820.html 「ネット上で情報を流すと紙に印刷した情報が売れなくなる」ー…

オタクとマニアの違いとは?

■みんなオタクに興味津々 オタクについては本当に関心を持っている人が多いことを実感させられる。私のつたないブログに、もっとも反応してくれる人が多いのは、オタクについて書いた時で、前回もご質問をいただいたが、またご質問というか、疑問を抱いたと…

確実な将来を知るためにできること

■将来予測は可能なのか? 将来予測というのは、言うまでもなく非常に難しい。そして年々難易度が上がっている。しばし予測すること自体がリスクと思えるほどだ。実際に、ある局面では、リスク回避をしたければ予測にこだわリ過ぎることはしばし禁物だ。場合…

過当競争を抜け出るために

■あっという間にコモディテイ 現代のビジネス社会で、いやが上にも直面させられるのは、過剰な参入者(含 海外や異業種からの参入者)との過当競争であり、スピードの早さである。そのスピードの早さを一番思い知るのは、コモディティ化の早さを実感するとき…

イノベーションと創造性を引出すオフィス

■イノベーションをマネッジする イノベーションはマネッジできるのか? 今日のイノベーションは組織というより優秀な個人が出すものであり、イノベーティブな個人を如何に惹き付け、彼らのやる気を出させ、イノベーティブな個人同士が活発な議論を通じてクリ…

知識経営はできているか

■ドラッカーと日本企業の成功 経営学の神様と言われたピーター・ドラッカー氏は、ポスト産業社会を迎える企業にもっとも大事なのは、知識であると喝破した。知識は企業のもっと大事な生産資源であると40年も前に語っている。 40年前といえば、日本は高度…

女性にオタクはいない?

■オタクについての質問:女性にオタクはいない? 4月13日に『オタク』のことを書いたら、友人の女性から、下記のようなご質問をいただいた。 ところで、オタクについてですが、普通の男性オタクレベルに匹敵するオタクの女性というものはいないのではない…

閑話休題 街に溢れ出した妖怪たち

本日は、閑話休題。 鳥取県境港市で見た、『街で溢れ出した妖怪たち』の一部を写真でご紹介する。 妖怪たちに引かれて、本来は閑静な漁港に、多くの観光客がやってきており、今や関西以西の一大観光地になろうとしている。 近くの松江市には、『怪談』を書い…

メガヒットを生むためには

昨日書いた内容をもう少し先に進めてみたい。 ■メガヒットはもう生まれない? 島宇宙化し、動物化(他者の欲望を欲望する人間的な欲望が、各人が一回きりの欠乏を満たすだけで終わってしまうような欲求に取って代わられること)したというのが本当なら、現代…

動物化の時代と若者の自動車離れ

昨日書いた議論で、東浩紀氏の『動物化の時代』について、もう少し書き足しておこう。 ■動物化の時代とは 昨日は、見田宗介の時代分類の延長に、この動物化の時代が位置づけられているというような書き方をしたが、東氏の著作から厳密に読むと、見田氏の弟子…