2008-01-01から1年間の記事一覧

佐々木俊尚氏の『ブログ論壇の誕生』を読んで

■佐々木俊尚氏のライフワークの一つ? 佐々木俊尚氏の最新刊である、『ブログ論壇の誕生』*1がやっとアマゾンから送られて来たので、早速拝読した。佐々木氏については、私のブログでも何度も書いていることもあり、あえて説明はいらないと思う。言わずと知…

日本の中高齢層の覚醒を期待する

■元NTTドコモの夏野氏へのインタビュー NTTドコモを辞めて、ドワンゴの常勤顧問に就任された夏野氏のインタビュー記事が面白い。というより、身につまされる。ここ数年の夏野氏の言動から、こういうこと(辞職)が遠からず起こるのではないかと思っていた。…

『ゼロ年代の想像力』に喚起された私の意見

■ゼロ年代を代表する若手思想家 宇野常寛氏 宇野常寛氏の『ゼロ年代の想像力』*1を読んだ。多くの書評でも絶賛されているように、確かに大変な力量のある若手の思想家/評論家が出てきたものだ。 この本は、主として、若年層、中でもいわゆるオタクが想定さ…

大変化の明日を乗り切る智慧

■湯川鶴章さんを『驚愕』 させた変化 今度、湯川鶴章さんの新しい本が出版されるにあたって、お願いすれば献本していただけるという話しがあったので、飛びついた。本のタイトルや、この2〜3ヶ月の湯川さんのセミナー等でのお話しから、なんとなくストーリ…

『蛇にピアス』が示唆する死と生の秩序感の変化

■ 『蛇にピアス』の映画公開 9月20日から、蜷川幸雄監督により映画『蛇にピアス』*1が公開される。原作は、2004年にわずか20才という若さで芥川賞を受賞した、金原ひとみさんだ。小説を読むことで感じられる、ひりひりするようなあの感覚がどのよう…

多重化するネット人格を前提とするべき

■実名か匿名か 以前、佐々木俊尚氏の著書『インフォコモンズ』の書評を書いた時佐々木俊尚氏著『インフォコモンズ』を読んでみた - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観るにも述べたことだが、私は、米国発のSNSであるFacebookのように、実名をベースに…

CPO (Cheif Philosophy Officer) 設置のすすめ

■IT・ネット企業の成功する戦略とは? 最近のIT・ネット業界の動向を見ながら、成功する企業の戦略とは何なのか、あらためて考えてみた。 企業である限りは、どんな形であれ、『戦略』はある。だが、私の周囲の多くのネット企業関係者は、あまり『戦略』とい…

内田樹氏の作品を読み込むことで『幸福度』問題を再び考えてみる

■幸福度問題再び − 内田樹氏の文章を読み込んでみる 前回のエントリーで書いた国際競争力やGDPより『幸福度』を上げることを考えるべきだと思う - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る、『幸福度』について、もう少し補足しておきたい。 前回は、幸福…

国際競争力やGDPより『幸福度』を上げることを考えるべきだと思う

■若者にとって住みにくく生きづらい国になっている日本 日本が住みにくい国になってきているという実感は、誰もがそれぞれの立場で感じているところだと思う。例えば、雨宮処凛*1さんの言う『生きづらさ』は私が著書やブログを拝見しても、非常に切実な気持…

若者をポジティブに評価すると中高齢層の反省すべき点が見えてくる事

■若年層の自動車離れに対する反響の多さ 私のブログに、検索エンジン経由で来ていただく人の、検索キーワードを見ていると、『若年層の自動車離れ』が非常に多い。これは私にとっては正直違和感がある。というのも、確かに市場が劇的に変化している要素とし…

ハイエクに学んで21世紀に生残る

■ハイエクと私 池田信夫氏の、『ハイエク 知識社会の自由主義』*1を読んだ。本の内容自体も面白かったが、ハイエク*2 に対して、どのように自分が相対して来たのかを振り返り、感慨に耽ることになった。 私は経済学部出身でありながら、あまり経済学を勉強し…

『佐々木俊尚氏の有料メールマガジンが面白い』と私が思う理由

■佐々木俊尚氏の有料メールマガジン 佐々木俊尚氏の有料メールマガジン(佐々木俊尚のネット未来地図レポート)を、配信開始と同時に拝読しているが、事前の予想以上に面白い。現在まで、3回の配信があり、それぞれ以下のようなタイトルで、ITネット関連の…

若年層に見られる『成功者イメージ』の変化

■若年層の職業観の変化 8月7日の私のブログキムタクの『職業ものシリーズ』ドラマから見える現代の職業観 - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観るは、速水健朗氏のブログエントリー【A面】犬にかぶらせろ!: トム・クルーズ映画から学ぶ中二病患者の…

いつの間にかまた悲惨な歴史を繰り返すことのないように今考えたい

■ナチスの残した教訓 ヨーロッパに赴任した旧友は歴史の大家と言っていい物知りなのだが、赴任早々のヨーロッパレポートは、予想通り、アウシュビッツや、マイダネクの収容所への訪問記だった。言わずと知れた、ナチスがユダヤ人を虐殺した収容所である。私…

日本教を世界に通用する普遍的な知恵にしたい

■アンカテのessaさんが語る『日本教』 最近、アンカテのessaさんが、『日本教』について書いておられたのを読んで2008-07-31 - アンカテ、 その参考文献を見ると、阿部謹也氏や山本七平氏、さらには井沢元彦氏らの名前が並んでいる。あらためて、essaさんが…

キムタクの『職業ものシリーズ』ドラマから見える現代の職業観

■キムタク主演のドラマ『CHANGE』 木村拓哉が総理大臣を演じるフジテレビ系ドラマ『CHANGE』は、同時期に放映された、仲間由紀恵主演の『ごくせん』に当初視聴率でリードされながらも、20分以上にもおよぶ長回し1カット撮影という異例のスピーチシーンを目…

Web2.0を勝ち抜いた企業が市場の支配権を握る日

■Web2.0は金にならない? 『Web2.0は金にならない』と切り捨てる人が最近周囲でも増えて来た。確かに、最近米国でも、広告収入を目論んだWeb2.0関連のビジネスモデルでは、儲からないという議論が数多く出て来ている。確かに、昨年来のサブプライムローン問…

創造性とポジティブに考える習慣

■日本企業のまじめさ(=暗さ) 日本の企業社会の雰囲気、風土は一昔前と比較すると、ずいぶんと柔軟になったという印象があるが、歴史のある大企業や大組織になればなるほど、過度な『まじめさ』に直面する事がまだ多い。特に、シニアの多い役員クラスで構…

ボーダーレス消費の拡大

■マーケットセグメントの重要性 6月10日のブログで書いたように、変質した日本市場へのアプローチ - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る 市場を把握して、効率的にアプローチするためには、調査データ等を元にマーケットを細分化(セグメンテーシ…

ルールや自己規制が競争を制する源泉?

■私の間違いについて 7月28日に、インディ・ジョーンズの一シーンについて、『文化系トークラジオ』*1で、解説された内容として、インディ・ジョーンズがルール自体を変える自由で柔軟な発想を持っていたことを象徴しているというお話しがあったことを軸にして…

自分が背負う文化の影響とビジネス

■インディ・ジョーンズの不可解なワンシーン 先日、『文化系トークラジオLife』*1をpodcastで聞いていたら、『方法としての体育会系』というタイトルで、出演者が考えるところの体育会系の定義や文化系との違いなどに話がおよび、非常に興味深かった。中でも…

企業文化/風土を構築するには

■企業のおかれた厳しい環境 企業が解決しなければならない問題は、今史上例を見ない程数も多く、質的にも難しい。所謂問題解決も、まじめに取組めば取組むほど、問題の難しさに立ちすくんでしまうことが多いのではないだろうか。高度成長期には、問題解決手…

佐々木俊尚氏著『インフォコモンズ』を読んでみた

■著作を読んだ第一印象 佐々木俊尚氏の著作を読んでいつも感じるのは、この人が本当に生真面目な人だということだ。どんな論考もきちんと積み上げて、誰でも議論に入って行く入り口をつくってくれる。そのおかげで、初めて佐々木氏の本を読む人でも、注意深…

田中真知氏の『孤独な鳥はやさしくうたう』を手にして

■私は旅人ではない 私は旅人ではない。それなりに世界の色々なところに行ったし、色々な国の人と話す機会もあった。でも、そのほとんどは仕事がらみで、現地に長くいる時は、にわか冒険家となって出かけられる限り出かけたものだが、たかが知れている。でも…

市場はすでにルール無用のリング状態か?!

■突然現れる競合相手 普段、自分の仕事や個人的な関心で、できるだけ情報網を広げて行こうという気持ちは、普通の人以上であると自負しているつもりだが、最近は時としてふと不安になることがある。 特に仕事の領域では、自分自身が異業種をまたいで転職をし…

嵐の前の静けさの中のIT・電機業界 

■iPhoneがとうとう日本へ iPhoneが発売されて、取り合えず、導入フィーバーは一段落し、ネット系のメディアでも、比較的冷静な評価記事が出てきている。*1 私が6日15月のブログエントリーで少し書いたようなiPhoneは日本で売れる? 売れない? - 風観羽 …

グローバリズムを語る胡散臭さ

■グローバリズムという重い課題 若者論や格差論に関連して、様々な文章を読んだり、実際に話を聞いたりしていると、『グローバリズム』という重くて大変な問題に対して、どのようなスタンスを取るのかという部分で、多くの人が大変混乱し、右往左往している…

『転生』を純粋に読み、感じてみた

■『転生』とは ジョナサン・コット氏著、田中真知氏訳の『転生』を読んだ。 転生―古代エジプトから甦った女考古学者作者: ジョナサン・コット,田中真知出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/11/21メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 107回この商品を含むブ…

『科学』という迷妄を超えて 

■不確実性の時代 ジョン・K.ガルブレイズ氏が『不確実性の時代』*1を出版したのは、1978年のことだが、このタイトルは、実際に本に書かれた内容とは関係なく、というより、実際に本を読んだことのない人の心にまで浸透したように思う。ああ、我々は不確…

あなたの会社の戦略、コモディティ化していませんか?

■戦略のコモディティ化 私はこれまで3つの企業に勤務し、そのうち2つの会社では、カルチャーがかなり異なる企業の合併を経験した。人間一人一人に個性があるように、企業にも個性がある。日本企業は同質的と言われ、確かにどの企業に行っても、日本企業と…