2012-01-01から1年間の記事一覧

「studygift(スタディギフト)」の炎上問題ついての一考

■「studygift(スタディギフト)」の炎上問題について 当初の予想をはるかに超えて、議論がものすごく白熱してきた、クラウドファンディングの「studygift(スタディギフト)」の炎上問題に、一言口を挟んでおこうと書き始めたが、ものすごく迂遠な雑文にな…

先行指標としてのFacebookに見る日本のSNSの第二幕

■FacebookのIPO 5月18日、とうとうFacebookが、米ナスダック市場に株式を上場した。公募価格に基づく資金調達額は約160億ドル(約1兆2700億円)となり、2004年のGoogleの19億ドルを大幅に上回って、IT関連企業では過去最大規模となった。終…

ソーシャルゲームに期待される『狂』と『法』のバランス

■世間を騒がせた『コンプガチャ』問題 この1〜2週間というもの、『コンプガチャ』*1などという、およそ聞き慣れない言葉がいきなりゲームの世界からやってきて、あっという間に流行語の仲間入りを果たした観がある。この『コンプガチャ』だが、昨今テレビC…

津田大介氏の真骨頂を知る事ができる新著『動員の革命』

■ツイッター利用の第一人者:津田大介氏 アジャイルメディア・ネットワーク社(AMN)の現社長徳力氏は、『ブログがなければ今の自分はない』と、おりにふれて語る。彼は、ブログが日本でもブレークした2000年代の半ば頃、一早くその可能性に気づき、ブログを…

FTMシンポジウム/スマート社会のビジョンとテクノロジーを提言する

■開催目的/概要 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主催で昨年10月に発足したフューチャー・テクノロジー・マネジメント(FTM)フォーラム(村上憲郎議長)の半年間の討議の結果を提言としてまとてめて公表し、さらに当日その内容…

分断されたコミュニケーションを繋ぐためには/文学的感性の重要性

■非常に感じるところのあった番組 ニコニコ生放送とのコラボレーション番組『ニコ生思想地図』(作家・批評家の東浩紀氏、小説家の高橋源一郎氏、早稲田文学編集長の市川真人氏の対談番組)、『震災を経て……文学2.0へ至る道を探る』*1を何気なく見ていたら、…

日本人が本当に取戻さないといけないものとは/何が本当の危機なのか

■世界でいちばん仕事が嫌いなのが日本人? 先日、『日本人は世界でいちばん仕事が嫌い』というインパクトの強いタイトルのブログが大変話題になっていた。日本人は世界でいちばん仕事が嫌い ブログ記事の著者(橘玲氏)の主張の根拠になっているのは、明治大…

日本はもう変わらないのか?/『あたりまえ』への挑戦

■両親の教え 子供の頃、父親に、『理屈を言うな!』と怒られたことが何度かある。ずっと忘れていたのだが、最近になってふと思い出して以来、気になってしかたがない。今でもこんな怒り方、しかり方をする人はいるのだろうか。私の父親世代だけではなく、私…

『中国化する日本』は日本の真の姿を見せてくれる

■エイプリルフール いよいよ新年度に入ったが、初っ端の4月1日はいわずと知れたエイプリルフールだ。この日だけは嘘が許される。インターネットのおかげで誰でも自由に発信ができるようになった昨今、さまざまな『エイプリルフールの嘘』が溢れてちょっと…

過去に類がない徹底したマスコミ分析/『「当事者」の時代』

■佐々木俊尚氏の新著 ジャーナリストの佐々木俊尚の『「当事者の」時代』*1を読了したので、読後の熱気がさめやらぬうちに感じたことをまとめておきたい。 ■情報発信行為を行う人は皆読んでみるべき 最近では佐々木氏の言説は、メールマガジン始め、インター…

第一級の『希望論』/オタクを理解できるかどうかが鍵?

■東日本大震災から一年 先週は東日本大震災から一年が経過したということで、様々な特別番組が組まれ、討論からエッセイに至るまで数多くの記事が出てきた。私も自分なりにこの一年を振り返り、識者だけではなく、一般の人たちの声も拾って見た。一番の目的…

企業にとってのソーシャルメディアの可能性と課題とは

3月9日(金)にアジャイルメディア・ネットワーク(AMN)主催の『ソーシャルメディアサミット2012』に参加してきたので、概要をまとめてみた。 ■開催概要 ・日時:3月9日(金)13:00〜21:00 ・会場:ベルサール九段 ・主催:アジャイルメディア・ネ…

『個』と『仕事』と『ソーシャル』を考えるにあたって

■FTMフォーラム 第4回Green Table 開催概要 2月23日(木)に、国際大学GLOCOM主催のFTM フォーラム(Future Technology Management フォーラム。 議長:村上憲郎GLOCOM教授・主幹研究員、多様な人々を幸せにする「スマート社会」の構想と、その実現に必要な…

社会を壊わしてしまわないためにこそ/『自助論』再考

■複雑な心境になる『MOTTAINAI』 昨年、残念ながら亡くなってしまったが、ケニア出身の環境保護活動家であり環境分野での初めてのノーベル平和賞受賞者でもある、ワンガリ・マータイ氏が日本の『もったいない』という言葉を知って、これを環境問題を考えるに…

21世紀の『自助論』が必要かもしれないこと

■新聞の社説 一昔前はやたらに読んでいたのに、最近すっかり読まなくなったものに、新聞の社説がある。ところが、最近たまたま『社説リーダー』*1というiPhoneアプリを見つけて使ってみるようになって、久々に新聞各紙の社説を大量に読み比べてみる機会に恵…

第3回FTMラウンドテーブル/社会が変われば消費も変わる

1月26日(木)に、国際大学GLOCOM主催のFTM フォーラム(Future Technology Management フォーラム。 議長:村上憲郎GLOCOM教授・主幹研究員、多様な人々を幸せにする「スマート社会」の構想と、その実現に必要な技術を取り巻く制度・カルチャー・企業経…

第8回ジオメディアサミット/さらなる無限の可能性へ

去る2012年1月23日、第8回ジオメディアサミットが開催されたので、参加してきた。遅ればせながら、感想をまとめてみた。 ■開催概要 ・開催日時:1/23(月)15:30-19:30(15:00 開場) : 懇親会:19:30〜22:00 ・開催場所:東京大学 駒場リサーチキャンパス コン…

カイゼンではなく変革/既存組織からの切り離しが必要

■行き詰まる短期利益志向 2012年1月23日付けの日経ビジネスに、『利益より売り上げ さらば縮小均衡路線』という記事があって興味深く読んだ。確かに、昨今の日本企業は、日本的経営に自信満々で、株主や株価など何するものぞという気概に溢れていたころと違…

『大陸』ではなく『次元』として理解すべきインターネット世界

■先見性に溢れた『新資本論』 経営コンサルタントの大前研一氏がインターネットによる経済の進化の方向を予見した書、『新資本論』*1は2001年に出版されて、当時大変話題になったし、2000年代後半頃に書かれた書評を読んでも、絶賛する向きが多かった印象が…

「直感」が経営判断の最も重要な要素になる日

明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願い申し上げます。 ■情報の氾濫をあらためて実感 今年はカレンダーの具体で年末年始のお休みが短かったせいか、例年よりあわただしかった気がする。それでも、普段より少しは時間を取れる環境にあったた…