2010-01-01から1年間の記事一覧

消費社会の激変と企業と顧客との関係の変化について

■One to One マーケティング 『One to One マーケティング』というコンセプトがある。初めてこれが提唱されたのは、マーケティングコンサルタントのドン・ペパーズ(Don Peppers)氏とマーサ・ロジャーズ(Martha Rogers)氏の著書、「The One to One Future…

亡き母に持たせたかったiPad

AppleのiPadの日本での発売が、当初の4月末の予定から1ヶ月ほど延期になって、肩すかしの気持ちになった人は私を含め私の周囲にも大変多い。これを機会に多少冷静になって、少し頭を冷やして考え直してみよう、などとは全く思えず、渇きに似た気持ちがじわ…

創出され続ける『今』/TwitterとUstreamのインパクト

■すごく楽しいセカンドライフ内のライブ 先週の日曜日、4月11日に、自分のTwitter のタイムラインを何気なく見ていたら、セカンドライフ内でジャズライブとそれに引き続きトークライブショーを行うという告知があった。23時から、ということだったので、急い…

自分をいつも一個の『動態分析装置』としておくこと

■消費をしない若者 昨今の若年層の消費離れ、特に自動車等の耐久消費財離れの傾向は、短期的/一時的なものではなく、中長期に渡る構造的な現象であると考えざるを得ない。その兆候は各所でますます顕著になりつつある。世界的に見ても、今回の不況の発信源…

第5回ジオメディアサミットに参加して/これからどうすればいいのか

4月2日に東京大学で開催された『第5回ジオメディアサミット』に参加した。開催概要は下記の通り。 ■開催概要 ・開催日時:4/2(金)17:00-20:20 懇親会:20:30〜22:00・開催場所:東京大学 駒場リサーチキャンパス コンベンション・ホール <第1部> 講演:「…

その不況対策が会社を再起不能に追い込むことを理解しているか

■長引く不況と不況対策 最近、リーマンショック後の底なしの不況にも、わずかながら反転の兆しが見られるというような記事を目にするようになった。これは各企業の投資抑制、徹底したコスト削減等により、短期的な調整が進んで来たことも一因と思われる。だ…

日本に活力は必ず戻る/RTCカンファレンスの場で考えていたこと

■RTCカンファレンス 約1年ぶりに開催されたRTCカンファレンスに出て、お話を聞いて来た。http://realtimecontext.com/modules/eguide/event.php?eid=35 開催概要は下記の通り。 ○テーマ: 『日本活性化の鍵 -大企業×ベンチャー』 ○日時: 2010年3月24日(水…

日本の向かうべき先を照らす燈/『心の一燈』を読んで 

■意外に読み易い『心の一燈 回想の大平正芳 その人と外交』 先日、とある勉強会で知り合いになった第一法規のYさんより、非常にシックな外装の本を頂いた。タイトルは、『心の一燈 回想の大平正芳 その人と外交』とある。自民党全盛期を支えた大物政治家の一…

旧タイプの市場調査にご用心!

■懐かしい市場調査業務 最近、マーケッティングの現場から離れているので、自分で市場調査を企画したり、その結果を分析するような実務もご無沙汰だが、昔は本当に様々な調査に関わったものだ。仕事の内容は、営業、商品企画、マーケティングと代わっても、…

製造業とソフトウエア/トヨタ・リコール問題を考えるにあたって

■誤解だらけのトヨタ・リコール問題 トヨタのリコール問題は米国の公聴会の日程を終えて、取り敢えず急場をしのいだものの、今後かなり大規模に起きてくるであろう訴訟(クラス・アクション)や非常な困難が予想される技術的な対応策の立案の問題を抱え、関…

日経新聞電子版について/何を議論すべきだったのか

■有料のネット媒体「日本経済新聞 電子版」の発表 2月24日、すでに事前の予想記事等でも非常に話題になっていた、新しい有料のネット媒体「日本経済新聞 電子版」(3月23日創刊)の記者発表が行われた。それに引き続いて、その電子版発表を記念する形で、日…

AppBankのセミナーは楽しくてためになった/iPhoneアプリ市場解読

■エポックメイキングな年 2009年はゲーム市場にとってエポックメイキングな一年だった。iPhoneのアプリケーション(アプリ)は猛烈な勢いで数を増して、iPhoneを有力なゲームプラットフォームに押し上げたし、Facebookアプリに代表されるソーシャル・ゲーム…

もう少し語っておきたい『服装問題』

■エスカレートする『服装問題』 バンクーバー冬季五輪スノーボード日本代表の国母和宏選手(21)の服装がだらしないと批判を浴びた、所謂『服装問題』が、かなり大掛かりなバッシングにエスカレートして話題になった。日本オリンピック委員会(JOC)は開会式への…

Googleが見せる隙/『人間学』が対抗の鍵

■Google Buzz Googleの新しいソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)である、『Google Buzz』が日本でも2月10日より公開された。これは、Twitterに似たテキストによるつぶやきだけではなく、既存のGoogleのサービスである、Picasa(写真)、Youtube(動画…

まだ過去の夢の中にいる日本

■マル激トーク・オン・デマンド ビデオ・ジャーナリストの神保哲生氏が社会学者の宮台真司氏と共に提供する有料インターネット番組である、『マル激トーク・オン・デマンド』は、基本が視聴者からの視聴料で成り立っているため商業資本にあまり気を使う必要…

アート/芸術を評価できる鑑識眼が必要かもしれない『iPad』

■『微妙』と評価されるアップルのiPad 予想された通り、1月27日のアップルのiPad*1の発表以来、まさに百家争鳴状態で、各所から非常に多くの意見、感想、分析、憶測等々が飛び交っている。今回特に興味深いのは、事前の期待が非常に大きかった反動もあるため…

twitter×AR(拡張現実)×GIS×ゲーム/iPhoneの楽しみな複合価値

■一番旬な話題『twitter』 しばらくブログを更新していなかった、アップルに非常に造詣の深い、ジャーナリストの林信行氏の今年初めてのエントリーが1月22日付けでアップされている。 nobilog2: 未来をデザインするアップル:次はメディア・ハブ? 第一声は…

日本という『巨大な不幸増幅装置』をどうすれば解体できるのか

■勝間和代 vs 香山リカ 昨年秋のAERAでの対談記事以来、テレビの特番、そして本としてまとめられることになり、大変話題になったのが、勝間和代氏と香山リカ氏の対談だ。私は、この対談本は読んでいないし、どのような帰結になったのか実は余り詳しくは知ら…

龍馬と器量/再発見が望まれる日本の文化遺産

■『龍馬伝』を観て NHKの大河ドラマ『龍馬伝』は昨日(1/10)第2回目が放映された。まだ始まったばかりだが(まだ期待の欲目はあるとは言え)評価は上々のようだ。(ソフトバンクの孫正義氏も、自身のtwitterで、4回も泣いてしまったとつぶやいている。)放…

権威と常識のバイアスから自由でないと生残れない

■イデオロギーは事実を覆い隠す 竹内薫氏の著書「99.9%は仮説」*1には、人々の『常識』という『思い込み』を覆す事例が沢山出て来て面白い。中でもガリレオ・ガリレイが24人の大学教授を集めて自作の望遠鏡を披露したときの話は私には特別興味深かった。その…

Googleと鉄腕アトム:年頭に掲げる重い課題

明けまして、おめでとうございます。今年も「風観羽」を宜しくお願い申し上げます。今年は従前より多少取り扱う範囲を広げながらも、本当に自分が感じていること、問題意識等を多面的に取り上げてみたいと思います。ご意見ご感想等、お待ち申し上げておりま…