2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

変貌する若者たち(前編)

■若年層の変化 日本の社会構造の変化を分析するにあたって、生起する変化を最も象徴しているのは、大抵いつでも若年層だ。若者はモードをつくり、社会変革の中核となって大人世代を脅かす。大人は大人で、若者の未熟さと大人が作り上げた世界の作法を守らな…

文化を感じる時

東浩紀氏と、笠井繁氏の往復書簡本である、『動物化する世界の中で』*1を読んでいたら、内容には直接関係ないのだが、すごく共感を感じるというか、自分自身の昔を思い出させてくれる場所を見つけた。 P92溝の口や新百合ケ丘で『本』と言えば、まず第一に…

自分のブログが世界に発信された日

■自分のブログが英語に?! 先日、5月19日付けで書いたブログどうしてここまで『ゲゲゲの鬼太郎』は人気があるんだろう - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観るにトラックバックがついてたので、リンクを辿ってみたら、いきなり英語のサイトに繋が…

ブロガー勉強会に出席した

一昨日、5月26日(月)、AMN(アジャイル・メディア・ネットワーク)主催のブロガー勉強会に出席した。*1 定期的に開催されているこの勉強会は、シリーズ第6回目。私自身は、前回(4月28日)に続く2回目の出席。前回は、比較的出席人数も少なく、全員がそ…

法的問題に見るGoogleの今後

■Googleのこれから インターネット関連のビジネスにおける、Googleの存在感は相変わらず圧倒的だし、その影響の裾野は、単なるインターネット関連を超えて広がっている。特に、最近では、テレビや新聞の広告費がインターネットに流れていることが取りざたさ…

群衆の叡智サミット2008に出席して

■サミットの概要 5月21日、群衆の叡智サミット2008ー(WOCS2008 Spring)に出席してきた。 これは、昨年11月に開催された、『群衆の叡智サミット2007』に続く第2回目で、場所は前回と同じ東京丸ビルホール&コンファレンススクエア7階「丸ビル…

セミナー「AR時代の技術」 様々な五感拡張テクノロジーの驚異

■セミナー概要 昨日、5月20日、国際大学グローバル コミュニケーションセンターの主催するセミナー、「AR時代の技術」(シリーズ「オーグメンテッド・リアリティ(AR)時代の世界」第2回)に出席してきた。今回は、3回シリーズの第2回目で、前回は制度編…

どうしてここまで『ゲゲゲの鬼太郎』は人気があるんだろう

■今尚進化する鬼太郎 日本のアニメやドラマで息の長い作品の代表格はと言えば、『サザエさん』であり、『水戸黄門』ということになりそうだが、すでにその域に達したと言ってよい作品に、水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』がある。この『ゲゲゲの鬼太郎』の…

結局、携帯電話の使用制限? 

■結局こういう方向に? 教育再生懇談会の最新の報告を拝見して、結局、携帯電話の使用制限という方向に議論が戻って行く状況を見て、大変大きな危機感を感じた。以下、毎日新聞の記事の抜粋である。 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は…

第2回オフラインnewsing に参加して

■オフ会の概要と感想 昨日(5月16日)、オフラインnewsing 『日本のニュースサイトはなぜつまらないのか』オフラインnewsing Vol.2 『日本のニュースサイトはなぜつまらないのか』|近江商人JINBLOGに参加してきた。 前回(2月8日)に続いて、今回は2…

つくられた『若者』の時代と家族の解体

■膨らむ女性の夢 私が物心ついたときから、すでにバレンタインデーは、女の子が男の子にチョコレートをあげて愛の告白ができる貴重な日だった。今のように義理チョコという概念が未成熟なこともあって、ある意味ではとてもボルテージの上がる大変な一日だっ…

『常識』ではもうだめだ!

■否常識/脱常識 『33人の否常識』*1という本がある。アメリカのビジネス書ベストセラー作家33人が、型破りな発想術72個を披露し、読者の固定観念をやぶってくれる、というふれこみだ。この本の編集はご存知マーケティング界のカリスマ、セス・ゴーディ…

時代が必要とするユーザー分析と顧客志向

■顧客志向反対論 完成度の高い製品が溢れて、顧客の問題の多くが解決されてしまっている時には、顧客の言うことを聞きすぎることがあだになる事例は意外に多く聞くものだ。マイクロソフトのように、顧客の意見をソフト製品に反映しすぎて、かえって統一性が…

希代のトリックスター にしむらひろゆき

■トリックスターとは? 『トリックスター』という存在がある。 これは、ポール・ラディンがインディアン民話の研究から命名した類型であり、のちカール・グスタフ・ユングの『元型論』で「トリックスター元型」として人間の超個人的性格類型として取り上げら…

大人世代がやるべきこと

■日本社会の閉塞性 日本の社会に暮らすというのは、結構肩が凝ることだ。学生時代には、日本が農耕型社会であること、特に、徳川家康の個性が色濃く引き継がれた幕府の長年の支配により、日本人の気質が閉鎖的で農耕型となるべくしつけられてしまっている、…

夢ある日本のIT企業として世界と勝負するには

■日本のIT業界の現状 IT業界というのは、本来とても夢のある業界だと思う。本当に世界を変えることができる可能性に繋がっている。私自身他業界を渡って来た実感からも、やる気のある若者には是非お薦めしたい業界だと思っている。IT業界という定義では範囲…

海部美知さんへのインタビュー

■海部美知さんの著書への共感 丸の内インターネットラジオというポッドキャスティングの番組で、海部美知さんのインタビューが収録されているということを知り、聴いてみた。 海部美知さんのことは、著書である『パラダイス鎖国』を読むまで存じ上げなかった…

『可視化の毒』と『見えない』競争の重要性

4月21日のエントリー(過当競争を抜け出るために - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る)で、一橋大学大学院の楠木建氏による、『次元の見えない競争』のことを今度紹介する旨書いたまま、そのままになっていた。あのエントリーから一足飛びに紹…

供給者/開発者がはまる四つの落とし穴

■過酷な現代の市場 今の日本の商品やサービスで、成長過程にあると言えるものは何だろう。 ついこの間まで、そう思われていたDVDレコーダーやデジタル・カメラ、薄型テレビなどはあっという間に成熟し、すでに過当競争が起き、コモディティと呼ぶしかない段…

『楽しさ』を見誤った日本

■『楽しい』って何だろう? 『楽しい』というのはどういうことなのか、という問いを突き詰めて行くと、非常に深淵な哲学的な問題になる。試しに、今あなたが楽しいのは何ですか? どうしてそれが楽しいんですか? と誰かを問いつめて行くと、ほとんど確実に…

マーケティングにおける『経験』経済の重要性について

■マーケティングにおける『経験』の発祥と経緯 昨今、マーケティング分野においても、『経験』の重要性が盛んに説かれるようになった。 これを『経験経済』というタームで最初に唱えたのは、『経験経済*1』の著者である、B・J・パインII氏とJ・H・ギルモア氏…

ダライ・ラマの示唆するWeb2.0時代のマーケティングと経営

■web2.0時代のマーケティング アンカテ(uncategorizabe blog)の、4月21日付けのエントリー、『ダライ・ラマから学ぶweb2.0時代のマーケティング』ダライ・ラマから学ぶWEB2.0時代のマーケティング - アンカテに非常に興味を感じる内容を見つけたので、それ…

駒沢大学の授業でお話しをしてきた

今日は、会社の顧問弁護士が教授としてクラスを持っておられる、駒沢大学にお邪魔して、教授のご質問にお答えする形で、学生に思うところをお話してきた。(法律時事英語クラス) 一年生から四年生まで混在する大教室での授業だったが、今の時期の出席は一年…

引き裂かれるソフトとハード そしてすべて水平分業へ

■ムーアの法則の破壊力 先日、未来を確実に予想するための手段として、人口構造を重視したドラッカー氏のことを書いたが、IT/情報産業の未来を予測するためには、どうしても欠かせない重要な法則がある。今やすっかり有名になった、『ムーアの法則』*1であ…