海部美知さんへのインタビュー


海部美知さんの著書への共感


丸の内インターネットラジオというポッドキャスティングの番組で、海部美知さんのインタビューが収録されているということを知り、聴いてみた。



海部美知さんのことは、著書である『パラダイス鎖国』を読むまで存じ上げなかったが、この本を読んだときの、不思議な感覚、古い友人に語りかけられたような感覚が沸いてきたのがどうしてなのか、このポッドキャスティングのインタビューを聴いてわかった気がした。


海部さんが、キャリアを自動車会社のホンダでスタートしたこと、中南米担当になられて中南米カルチャーに大変親しみを感じられたこと、その後アメリカ、中でもカリフォルニア・カルチャーのど真ん中ともいえる場所に長く住まれて、深く影響を受けておられるように思われること、NTT勤務後、日本の携帯電話業界の仕事に係わってこられたこと等を知り、スケールはまったく違うが、自分が親しみや共感を感じて当然だと思った。


私もキャリアをホンダのライバルである愛知県の自動車会社ではじめ、フィリピン担当になってラテン・カルチャーに心酔し、カリフォルニアに少しだけ会社から行かせてもらって、カリフォルニア・カルチャーに深い影響を受け、アジアの仕事を長くする中で、日本人であることのアイデンティティーに思いをはせ、その後IT系の会社にかわり、携帯電話業界のことも少なからず知る立場になった。


現代の日本と自分にできること



現在の日本は、海部さんも指摘されているように、閉塞感、元気のなさ、ジャパン・パッシングなど、冴えないキーワード一色という感じで、一度は世界に恐持てだった面影はほとんどない。中でも、若い世代の閉塞感や元気のなさが指摘されることが多いが、私の知る限り、今の30〜40才台の閉塞感や元気のなさも相当なものだ。


ただ、これも海部さんもおっしゃるように、日本が恐持ての、モーレツな時代に帰ることは難しいだろうし、個人的な見解を言えば、帰るべきでもないと思う。それに、現代の日本には、あの当時にはなかったものもたくさんある。また、日本のこの四半世紀の激動・激変の経験から得られた智慧は、ちゃんと引き出せれば、本来大変貴重なものだ。まあ、これはこの時代をすごしてきた我々の責任として取り組むべきところだと私も思う。



著書やブログから、少なからず閉塞感を感じていた私も大変元気をいただいた。感謝しつつ、自分のできることから取り組んでいこうと思う。