はじめに

はじめに


自分の意見を表明する機会など、もう来ることはないと考えていたが、まさか時代がそれを後押ししてくれるようになるとは想像もできなかった。本当に書いて発表してみたいと心から願っていた時代から、もうかなりの年月が流れてしまったことは、少々拍子ぬけという感じもなくなはないが、ともあれ自分の学んできたこと、感じたことなどをまずは自分の備忘録として書きためてみたい。それを有用として読んでいただける人が出れば、これはもう望外の幸せというものだ。 


自分はエンジニアではないが、IT/Web系に所属すると言ってよい会社に勤務している。過去、事務系の仕事のかなり種類を体験してきたため、事業もどちらかといえば、マーケティング、経営、交渉術というような観点で見る癖がついてしまっている。そのせいか、最初にブログを知ったのも、Web2.0という言葉を知ったのも、比較的早かった割には、あまり自分の仕事心をくすぐることはなかったような気がする。だが、最近は違う。見る者聞くものに本当に興味を感じ、自分で探究したくなってくる。これは、自分自身の個人的な変化もあるかもしれないが、Web2.Oと言われる潮流が真に大きな社会現象であり、歴史を動かす大きな出来事であることを非エンジニアとして、というより非エンジニアだからこそ感じているからということのように思う。その中で、何かをしてみたい、何かができるかもしれない、という気持ちがいつになく突き上げてくる。


我々の世代は、世界は意味の塊であることを比較的安易に信じることができた。しかし、いつの間にか共産主義イデオロギーを筆頭に日本の人々の思想やイデオロギー離れが進み、気がついてみると世界に意味を見るということがいかにもオールドファッションとなってしまっている。市場を見る目に、世代間の断層があるのも当然だと思う。事業を成功させるためには、自分とはまったく異質の世界観、ものの見方をする人たちをいかに理解するかということは必須だが、ある程度他国の市場を見てきた私でも、今の日本の若年層を含む日本のマーケットを理解することひとつとっても大変難しい。でも、だからこそチャレンジのしがいもある。誰とも違った場所にいて誰とも違った体験をしてきた自分が、自分だからこそ感じ取れることというのはあると考える。このブログでは、そういうありのままの自分の切り口を語り、真摯に人の意見に耳を傾け、未熟ながら、自分を一歩でも前進させて見たいものだ。


このブログを立ち上げる前は、ある程度しっかりした書き物を完成させて、それを掲載することをはじめにやりたいという野心もあったが、その時間があるのなら、今ここでまず始めること、それを優先することに決めた。どんなに年齢を重ねても、初めてのことは緊張するものだ。船出? では、良い旅にしたいものだ。